見出し画像

映画「カラオケ行こ!」を観てきた

先週、二日続けて映画館へ足を運んだ。
先月は映画館へ行くことができず、禁断症状のようなものが出始めていた。
コロナの影響が出始めたころから、ひとりで映画館に通うようになり、そのころから、映画館でひとりで過ごす時間が私にとって何よりもリフレッシュできる時間となっている。

今回観た2作品は、どちらも漫画原作の実写化映画だった。
漫画の実写化と言えば、そこには様々な問題が起こりうるということを、少し前のニュースで痛感していた。
もともと漫画の実写化作品を好んで観るほうではなく、できればオリジナル脚本で良い作品に出会いたいと思っている。
が、昨今のドラマや映画は、漫画原作ではないものを探す方が難しいぐらいで、「え、これも漫画なの?」と言いながらも観ていることも多い。

ただ、今回の2作品は公開初日当時から観たいと思っていた作品だった。
そういう時の理由は大体、好きな俳優が出ているからなのだが。

1日目に観た「ゴールデンカムイ」。このnoteにもすでに感想を残しているが、こちらはもともと原作のファンだったという理由で観に行っている。

2日目は「カラオケ行こ!」
こちらの漫画は読んではいなかったが、いつだったかアメトークで紹介されたときに印象に残っていて、気になっていた。

なぜこの作品を劇場まで観に行ったかというと、それは俳優・綾野剛が出演しているから。
彼の出演作品は大体チェックしている。最近の彼のインスタは「カラオケ行こ!」の情報ばかり投稿されていたので、そりゃ気になる。

前置き長くなっちゃいましたが、今回はこの「カラオケ行こ!」についての感想を。

※少々、ネタバレあり。

原作:和山やま
監督:山下敦弘
脚本:野木亜紀子
出演:綾野剛、齋藤潤ほか

合唱部部長の岡聡実(おかさとみ)はヤクザの成田狂児(なりたきょうじ)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が・・・。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?

映画「カラオケ行こ!」公式サイトより

脚本、野木さんだったんだ。知らずに観に行っていた。
原作の漫画を読んでいない私は、原作との違いはわからないのだが、他の方の感想などを読んでいると、どうやら原作にはないシーンがいくつか追加されているらしい。ただ、そこはさすが、野木さん脚本。きっと原作の世界観を崩すようなことはなかったのだろう。
例えば、聡実くんが幽霊部員として所属している「映画を見る部」。このシーンが私は好きなのだが、原作には無かったようだ。

野木亜紀子&綾野剛と言えば、ドラマ「空飛ぶ広報室」や「MIU404」があり、どちらも好きな作品である。
今回の主人公・成田狂児は、どちらかというと「MIU404」の綾野剛(役名忘れた)に近いと感じた。ヤクザ、しかも狂児という怖そうな名前。にしては、やわらかな軽さ、そして人懐っこい印象もある。関西弁ってのも良かったのかも。
昨年観た「最後まで行く」のほうが、よっぽど狂っていた。

それにしても、聡実くん役の齋藤潤くん。
素晴らしかった。オーディションで選ばれていたのね。
もちろん綾野剛も良かったよ。
でも、この作品の軸はやっぱり聡実くんの成長ドラマであるわけで。
少し冷めたようにも見えるが、まだまだピュアさも残る聡実くん。
変声期を迎え鬱々とする感じ。
狂児との会話の掛け合い。
どの聡実くんもとても自然に思えた。
大げさに言うと、綾野剛と齋藤潤、この二人だからこそ出来上がった世界があったように思える。

ヤクザが中学生に歌を教えてもらう。という設定がまず面白いわけだけど、爆笑シーンがあるようなコメディ映画というわけではない。
原作を知らない私は、綾野剛にコテコテのコメディは合わないし、こりゃ面白くないかもしれないと余計な心配をしていた。

が、とても心地よいコミカルさ。
ヤクザと中学生の友情。って、普通に考えたら現実味はないかもしれないけど、なぜか自然と受け入れることができたし、最後はちょっと感動もした。

そして、「紅」という曲が、とても重要な役割を果たしている。
狂児の声質には合わないと言われても、彼は「紅」を歌い続ける。

ちなみに、、ちょっと気になったのは、狂児は歌が下手だという設定なのに、綾野剛の歌唱がそこまで下手じゃなかったことである。「終始裏声が気持ち悪い」と言われた「紅」も、そんなに悪くなかった。他のヤクザのほうがよっぽどひどかったから、これで最下位になるの?と思ったのは私だけじゃないはず。最下位を決める組長の好みもあるんだろうけど。

歌うことを避けていた聡実くんが、最後に狂児のことを思って歌う「紅」。

高音を苦しそうにしながらも歌い上げたとき、彼自身の中にある葛藤もきっと乗り越えられたに違いない。
撮影時、齋藤潤くん自身も声変わりの時期だったとか。
等身大の中学生の歌声だからこそ、心に響くものがあったのかもしれない。

最初から最後まで、まったく嫌な気持ちにならない、なんだか心地よい空気感。
これは青春映画なのか?それもまた違うような。
うまく表現できないけれど、そこには「愛」があった。
ちょっぴり幸せな気持ちになる、そんな映画だった。

原作漫画も読んでみたい。

そして、続編の「ファミレス行こ!」というものもある。


こちらもぜひ映像化してほしい。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?