海へドライブ。おいてきた何かを見に行こう。
海を眺めているだけで、落ち着く。
オフシーズンの海が好きだ。
ただ静かに波の音を聴き、遠くに浮かぶ船を見ているだけでいい。
2020年3月、小学校が一斉休校になった。
私は仕事に行かなければならないし、子どもたちは家で何をすればわからない。そんな日が続いていた。
ある日、有給休暇をとることができたので、子どもたちと過ごそうと考えた。
そうだ、海へ行こう。
うちから30分ほど車を走らせれば行ける海岸がある。
あそこなら、人も多くない。
2人を車に乗せて、ドライブした。
本当は自分が海を見たかっただけかもしれない。
車を停めて、少し歩いて海岸へ。
予想通り、人はほとんどいなかった。
砂遊びを始める子どもたち。
良かった。はしゃいでる彼らを見て、ほっとした。
太陽の光が反射して、キラキラ輝いている。
このころ、みんな不安でいっぱいだった。
学校に行けない。友達にも会えない。
少しの時間でも、この景色を見ることができて、気分が晴れた気がする。
絶景というわけではないけど、落ち着くこの景色。
私の好きな場所だった。
そうだ、私、昔から、この海を見るのが好きだった。
あの頃からずっと。
学生時代からつきあっていた彼とはよくドライブに出かけた。
目的地は決めず、ただ海があるほうへ車を走らせる。
決まって青空が広がる日だった。
スマホなんてない時代。
紙の地図しかない時代。
カーステレオで好きな音楽をかける。
大好きな曲。
これは夏の海の歌だけど。
あと、車の色も青ではないけれど。
海へのドライブは、この曲がやっぱりいいな。
海へ行くまでの時間も楽しくなる。
そんな昔のことを思い出しながら、キラキラ輝く海を眺めていた。
またオフシーズンになったら、車で海へ行こう。
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