カフェなどの飲食店等で活用可能なデジタル技術等をまとめた事例資料

※本記事の内容に付加情報を追記した資料(PDF版)は、本記事の最下部よりダウンロード可能です(有料)。

 少ない人員で店舗を運営するために何を考えたらよいのであろうか?

 最近のトレンドを踏まえると、デジタル技術をすぐにでも導入し、頭を切り替えた上で、新しい店舗づくりをすることが自然な発想ではないでしょう。

 そこでカフェなどの飲食店等で活用可能なデジタル技術等をまとめた事例資料をまとめてみました。

 ※デジタル技術活用事例として2事例をPDFで添付。

1.最も分かりやすい例は、キャッシュレス。

 カフェ等の店舗でのデジタル技術の活用として、最も分かりやすい例を挙げるとすれば、キャッシュレスとなろうかと思います。

 そもそもカフェ等の店舗で最も顧客が不満に感じるのはレジ待ちの行列です。顧客とお店スタッフとでお金のやり取りをするだけでも手間と時間がかかります。受け取ったお金を数えたり、確認したりと…。そんな作業が積み重なると行列の待ち時間は、あっという間に顧客の許容時間を超えてしまいます。また、店舗側としても、お金のやり取りについて新人アルバイト等に教育するのも相応のコストがかかります。

 その意味では、現金を扱うことで顧客側も不満がたまるし、店舗側でも負担が大きい。そこで、店舗にキャッシュレスを導入すれば、それらの時間は一気になくなります。また店舗スタッフの作業負荷も大きく削減できます。さらに言えば、サービス業の本質であるサービス提供(カフェであれば飲食物の調理と配膳等)に店舗スタッフは注力できるのです。

 10月1日からの消費税増税を機に、キャッシュレスの機運が高まっているこのタイミングで、極端ですが「うちのお店はキャッシュレスのみの対応です。現金のご利用はできません」とするのも一つの手です。

2.スマホでの遠隔からの注文・決済

 上記のキャッシュレス導入の話からさらに進化させたものとして、スマホでの遠隔からの注文・決済という方法も考えられます。

 そもそも、店舗の注文カウンターに行って、そこで対面で店員に注文するしか注文方法がないことが、注文のための行列発生の原因でもあります。
そのためスマホでの遠隔からの注文・決済という方法を導入すれば、顧客に注文カウンターに並んでもらわなくても注文が受けられるようになります。顧客もうれしいし、店員もうれしい限りではないかと思うのです。

 このような発想の取組は、既に開始されています。例えば、クラスメソッド株式会社というIT会社が、デジタル技術の活用の可能性を探るべく、自らカフェ運営に乗り出しています。秋葉原に「Developers.IO CAFE」というカフェをオープンし、テクノロジーをふんだんに使った新しいカフェ運営の在り方を試行しています。

191002カフェでのスマホ注文・決済

 同店では、スマホからの注文に特化することで、店舗外また店舗内で注文カウンターに並ばずに注文することが可能になっています。列に並ばずに注文でき、支払いで後ろの方を待たせることはなくなっているのです。

 上記取組は、1店舗だけの試行的な取組ではありますが、今後、同様の仕組みを前提としたカフェ等店舗が増えていってしかるべきではないかと思います。

3.店舗外から空席情報が分かる。顧客にやさしいお店。

 続いて、空席情報を見える化し、顧客満足度向上につなげていく取組も、今後は大変重要になると思います。

 現状、ほとんどのカフェ等の店舗では、顧客がお店に入って初めて「席が空いているのか」が確認できる状況です。もちろん、電話で席が空いているかどうか、店に入店する前に確かめるという方法もありますが、今の時代、電話で確認するのは顧客にとって心理的ハードルは高いものです。
店舗に入らなくても、その店の空き状況が分かるサービスはないものかと、常々考えていましたが、最近では、当然というべきか、空席情報を集めて顧客に提供するサービスがあるのです。

 例えば、株式会社バカンというIT会社が、2018年1月に空席検索プラットフォーム「VACAN」というサービスを提供しています。この「VACAN」というサービスは、カフェやレストラン等が導入する仕組みですが、導入するとレストラン等の混雑状況をセンサーやカメラを使って解析し、電子看板や顧客のスマホに空席情報を表示できるサービスとなります。

191002空席情報を見える化し、顧客満足度向上。さらに売上や客数の増加も

 このサービスを導入することで、実証実験レベルではありますが、実に88%のユーザーが便利になったというアンケート回答をしているそうです。そりゃそうだ。個人的にも大変うれしいと思う。

 また、店舗側もうれしいことがあります。例えば、全席満員となったカフェやレストランなどを考えた場合、次々と来店する顧客に対して、一人ひとり入店をお断りしている様子を、多くの人は見たことがあるでしょう。だって、顧客は全席満員かどうかわからないのだから。そんな時に、空席情報をスマートフォン等で見れるようにして置ければ、無駄に顧客は来店しなくなるため、店舗スタッフもお断りの対応をしなくても良くなります。

 この点はとても大切です。多くの場合、せっかく来店した顧客にお断りをするのは、店舗スタッフとしても精神的に負担のある仕事。その負荷を減らせるだけでも大きいと思います。

 また、そもそも店舗側から来店客にお断りすることは、顧客とのトラブルのもとにもなります。店舗自体の評判を気づけることになります。したがって、お断りすること自体を減らす取組には大変意味があると思うのです。

4.まとめ 

 以上、カフェなどの飲食店等で感じる様々な不満点の中で、その不満点を解消する店舗が利用可能な技術を3つ紹介しました。

 既に多くの店舗等で導入が進みつつあるものもありますが、まだ試行的に一部店舗で取り組みが始まったものもあります。こうした技術を前提に、店舗づくりを進めて、顧客に、より満足してもらえるお店が増えていくことが大切だと思います。

 ただし、技術はあくまでもツールです。その技術を使いこなすための判断や店舗運営が求められることは間違いありません。その意味では、技術を踏まえた上での店舗における人の活動がより一層大切になることでしょう。

 参考までにご紹介した資料をPDFで…。

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