とあるカフェのキリムの物語。2
私はトルコからやってきた。
ここへは
彼女が導いてくれた。
私の大好きな
あの子によく似た彼女。
好奇心旺盛で
でも、すぐ飽きる。
繊細で大胆。
気分が乗ると
おかしな歌を歌いながら
おかしなステップで
踊り出す。
そして愛情深い。
それにしても
今日はなんて澄んだ青空だろう。
くっきりとした雲。
陽の光が影を落とし、
私に何かを訴えるように
そこに留まる。
青空と
土の匂いと
誰かが歌う声。
私を優しく扱う手。
トントントントントン・・・
愛するという
「感情」を
初めて知った日。
懐かしくて
懐かしくて
溢れそうになる、
大切な記憶。
あの子は今も元気だろうか、、、
誰かが
私の体に編み込んでくれた
数々の想いを
私は、
私の全てで
あの子に伝えづつける。
これまでも、これからも。
あの子が
豊かでありますように。
あの子が
愛する人と
いつまでも一緒にいられますように。
あの子が
全ての脅威から守られますように。
そして、
今ある幸せに
感謝できる人生でありますように。
あの子によく似た
彼女が連れてきてくれたここには
ちょっと変わった夫婦がいて
いろんな人が来て
いろんなおいしい香りがして
みんな笑っている。
あの子と過ごした日々と
重なる感情。
元気ですか?
私も今、
幸せです。
・・・あ、
また彼女がやってきた。
今日も一段と
楽しそうだ。
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