一日一日を生きる。
夏休みの宿題
子供の頃の夏休み最後の日、明日から学校に行かなければならないと思うと憂鬱ですよね。
やり忘れた宿題はないだろうか。
提出しなければならない宿題をランドセルや手提げ鞄に詰め込んで、新学期の始まりに備える。
よく夏休みの宿題は「最初のうちに終わらす派」か「最後の数日間でまとめて終わらす派」かどっち派だった?という話になると思うのですが、僕はどちらでもなく「満遍なく派」と言ったところだろうか。
できれば嫌な事は最初に終わらせたいという思いはあり、最初にやろうとするのですが、ちょっとつまずくと途中で思考がストップしてまた後でやろうと完全に手が止まってしまいがちだったのです。
何日か経ってからまた宿題をやり始め、なかなか進まなかったらまた中断の繰り返しで、夏休みの終わりがけにまとめて仕上げる事が多かった。
ん?これって「最後の数日間でまとめて終わらす派」じゃないの?っと思うかもしれませんが、早く宿題を終わらせたいという意思はあり、とりあえず初日から宿題に手は出すが、なかなか思うように進まず結果的に最後の方でバタバタしているタイプでした。
大きな目標は見ない
そもそも計画を立てるのが苦手で、何日から何日までにコレをやり、何日までにコレを終わらすといった計画を立てたことがない。もちろん夏休みの宿題も。
僕はなんでも「成るように成る」と思っているタイプで、きちんとした計画を立てなくても「ま、何とかなるでしょう」と適当に進めていく行き当たりばったりの人生を歩んできました。
もちろん不安が無いというわけではなけど、そんな不安な状況をも楽しもうとする人間なので、おそらくこんな性格じゃなかったら、今の仕事はしていなかったのではないだろうか。
それでもやっぱりきちんと目標を決めて計画を立てたいという人に今回は知ってもらいたい事があります。
まず一番大事な事は、「大きな目標は見ない」ということ。
これからお話しする事は最近になってから他の人から話で聞いた事なので、これらを意識して今まで生きてきたわけではなく、話を聞いて、あ、こういう事だったんだなと腑に落ちたお話です。
夢と目標の忘却
カナダのとある大学の研究で、大抵の人は歳をとるほど幸福度が下がるが、例外的に大きな目標を持ったり壮大な夢を追った人たちは幸福度が下がるという研究結果があるようです。
大きな目標や夢を持ってしまう事で今の満足度を下げてしまい現状を受け入れられなくなってしまう。つまり、大きな目標を立てると、計画を立てただけで満足してしまいます。
大きな目標や夢はすぐには成果は出るわけではないので、初めから大きすぎる目標を立ててしまうとプレッシャーになり、結果行動を起こせなくなるといいます。
大きな目標や夢は持つなということではなく、持ってもいいけど目標を立てた後、ロードマップを作り細かく切っていき、全体が見えたら最初に立てた目標を忘れること。
自分が前に進んでいる感覚を持たないと人間は前に進んでいけないので、目標が見えていると、毎日やっている小さな事が無意味に見えてきたり、不安になってしまいます。
自分のできることで成果を出していくことが大事で、低めに予測を立てていって、その予測ラインをまずは目標にする。現実的な目標を立ててあげて、現状を受け入れて前に進めていく事がちゃんとできれば目標には意味があるのです。
一日一日を生きていく
目標の立て方の話を聞いて、なぜ自分は将来への不安やプレッシャーが少ないのか分かった気がします。普段から目標を忘れているのは正解だったのかなと。
僕の夢、もしくは目標は好きなことをしながら死ぬこと。つまり今やっている好きな仕事を死ぬまで続けていくことです。珈琲を淹れながら死ぬことです。
でも、普段から「80歳まで仕事を続けて珈琲淹れながら死ぬぞー!」なんて考えているわけではないです。
後40年以上お店を続けていかなければならないと思うと、気が遠くなりますよね。一週間後に目標が達成されるという事は物理的に不可能です。仮に僕が死ぬのが40年後だとして、それまでお店を続けていくのは一日、一年と確実に生きていった結果であって、一日一日の積み重ねです。
最終目標に焦点を定めず、今日一日を生き抜くことを目標に掲げているのです。
一日の目標が達成されたら一段夢に向かっての階段を登れた気がして、明日からまた頑張れるのです。自分が前に進んでいるという感覚がモチベーションをあげるのです。
思えば昔から大きな目標は見ずに、行き当たりばったりで行動していたけど、ある意味間違いではなかったような気がします。
今できることを、一生懸命やっていればいつの間にかその目標に達していた。
夏休みの宿題もしかり、一気に宿題を終わらしてやろうとは思わないこと。
8月31日までに宿題を終わらすという目標を立てて一旦忘れ、一日一日自分のできる範囲で、自分のできる課題から少しずつ進めていけば宿題はいつの間にか終わっているはずです。
一日に少しでも課題をクリアできたら、自分を褒めてあげましょう。
目標に一歩近づくことが出来たのだから。
いや、何も進まなくてもやろうと行動したのなら褒めてあげましょう。
自分のできる範囲で、自分のペースで進んでいく事が大切です。
世の中、成るように成っていくものです。案外。
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