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続けるということの大切さ

継続は力なり

高校の卒業式が終わった最後の日の教室で、最後に贈る言葉として、


「“継続は力なり”。この言葉を忘れないように。」


と担任の先生が言った。

この言葉はどこかで何回か聞いたことがあったけど、先生に言われた時、よくある言葉だと思うぐらいでそれほどピンとこなかった。

高校を卒業して何気無く就職して途中やりたことが見つかってその会社を退職して自分のブックカフェをオープンして数年経って、ようやく“継続は力なり”という言葉が僕の頭をやたらと駆け巡るようになってきた。

とは言いつつ、今のやっている仕事がさほど結果を出しているわけでもなく人気のお店になったわけでもなく何かを成し遂げたわけでもないので、他の人にはまだこの言葉を押し付けることはできないのですが。



営業日と営業時間はお客様との約束

現在、お店の定休日は月曜日と第1,第3日曜日で、営業時間は平日が12:00〜19:30、土日祝が11:00〜17:00と設定しているのだが、今後なるべくこの営業時間と定休日を変えないようにして続けていきたいと思っています。

営業日と営業時間を変更しないと心に決めたのは、ある人の文章で「営業日と営業時間はお客様との約束」と書いてあったのをを読んでからです。さらに続けて、臨時営業や臨時休業をなるべくしないようにするとも買いてあった記憶がある。

いつどこで、この文章を読んだのかははっきり覚えていないのですが、しっかりと頭にこびりついていたので、今でもふとこの文章を思い出す時があるのです。

すごく心に残った文章だったのに、誰がどこで書いたのかも覚えてなくて、メモなどもしていなかったので、実はこのnoteで文章を書いていこうと思った理由の一つに、これから出会うであろう素敵な言葉や考えを記録していきたいと、そして、ふとその言葉に触れてみたいと思った時にすぐに見返せるようにする為でもあるのです。


***


営業日が不定休だと、確かにお客さんの立場で考えてみると、急にこのお店に行こうと思い立った時点で、スマホで営業日や営業時間を検索しないといけないという手間が発生する。その一手間が億劫な人はもしかしたら今日は確実にやっていると分かっている違うお店でもいいやとなるかもしれない。

例え、営業日だと覚えていても、いざ行ってみると臨時休業となっていて、せっかく来たのにと落胆するかもしれない。というか、僕もよくこの臨時休業に遭遇したことがあるので気持ちはものすごく分かる。

こう考えてみると、確かにお客さんにとって不親切だ。

営業日や営業時間を覚えていてくれて、その時間内ならいつ行っても必ず営業しているというのは本当に有難いことなのです。

このお店なら臨時休業もしてないだろうし、確実に開いているだろうと安心して行くことのできるお店にしたい。これもいわゆる“信用”なのではないだろうか。


続けるという行為は信用を得る

では、この安心して行くことのできるお客さんから信用されるお店を作るにはどうしたらいいのか。

それは、続けることだ。

営業日と営業時間を浸透させるには時間がかかる。お店の営業日と営業時間を変えずにずっとその営業体制で続けていくことでお客さんに覚えてもらうのだ。何年も続けていくことで信頼される。続けていってお客さんの期待を裏切らないことで信用を得られるのです。

営業日や営業時間だけでなく、そのお店自体が何十年も営業しているとなれば、それだけ続いているということは良いお店なのだろうという先入観も得られる。続いているというだけで信用される。


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実際にお店を経営していて感じたのは、自分の思っている以上に自分のお店の存在を知らない人が多いこと。お店の存在に気付いても案外お客さんはすぐに来ないということ。

オープンしてもすぐ5年経つけど、未だに新規のお客さんが毎日のように来てくれます。

最近知りましたと言って来店してくれたり、ずっとこのお店があると知っていて来たかったのにタイミングが合わずなかなか来ることができなかったというお客さんが多いです。

よっぽどインパクトがあり話題性のあるお店でないと、すぐにはお客さんは来てはくれないのです。

うちみたいな小さなお店は、その存在が浸透するまでに時間がかかるし、知っていてもお客さんのタイミングでしか来てくれないのです。

1、2年営業してお客さんがあまり来てくれないから閉店するというのは勿体無いです。5年後、10年後にはもしかしたらもっとお客さんが来てくれるかもしれません。なのに、数年で閉店してしまうのはお客さんからしたら機会損失なのです。

本当に良いお店なら、一度来てくれたらその後もリピーターとして何度も来店してくれます。

もちろん好みもあるのでみんながみんなリピーターになってくれるとは限りませんが、お客さんの分母を増やす事で、リピーターになってくれる確率も増えていきます。リピーターが増えるということは、ずっとお店を続けていける一番の材料になるのです。リピーターを増やすには、“続けていく”ことなのです。続けていくことで信頼されるお店になります。信頼されることで“信用”という価値を得られるのです。


お金よりも大切な“信用”を得ることができるのが続けていくという力、すなわち「継続は力なり」の真意ではないのだろうか。


最近になってそう思うようになった。



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