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「こんな話していいのかな」~クライアント体験その1


私はカウンセリングの学びをするまでに
クライアントの経験はありませんでした。
そんな私がピア・カウンセラーとして認定される前に
2回のクライアントを経験することで
「カウンセリングの意義」が腹落ちしたのです。
カウンセラー側のことだけを学んでいた時よりも
実体験としてその意義が刻まれました。
今回は初めてクライアントの体験をしたときのことを
お伝えします。



コロナで立ち止まる

私が不妊ピア・カウンセラーの学びを始めたのは
コロナ禍直前のことでした。
スクーリングに東京に行ったり、
対面で課題の模擬カウンセリングもしていました。

いよいよ東京で認定試験という時
新型コロナウィルスで世界中が異常事態に陥りました。
「県をまたいだ移動は自粛」というムードの中
認定試験は無期延期になってしまったのです。

結局認定試験は1年後にオンラインで実施されたのですが
この宙ぶらりんの1年間は私にとって
大事な1年間となったのです。
なぜならこの期間に私はクライアント体験をすることになるからです。

カウンセリングの価値、半信半疑

ピア・カウンセラー養成講座の学びをひとおおり終えた時点で
私にカウンセリングを受けた経験はありませんでした。
カウンセリングの学びを通してわいてきた
「これって不妊や生殖にまつわる出来事で傷ついた私に
必要なことだったんじゃないの?」
という思い。
そしてカウンセリングを受けてみたいと感じるようになりました。

調べてみると当時住んでいた自治体では
「女性相談センター」のようなものがあり
無料で面接カウンセリングが受けられることがわかり足を運びました。

カウンセリングを学んでいたのに
お金を支払うことに抵抗があったのは
その価値を心でわかっていなかったからなのです。

でもカウンセリングの学びをしたからこそ
「行ってみよう」「何かがわかるかも」と思えたのです。

初めてじっと聴いてもらった、初めてただ話せた


初めてじっとセンターの一室で心理士の先生にそれまでの自分のできごとを話しました。
安心できる場でただただ聞いてもらって感じたことは
私はただ話したかったんだということ。
「うんうんそうだったんだね。大変だったね。がんばったね。」
と労ってほしかったんだということ。

もちろん私の身に起きた出来事を家族や親しい友だちは知っているけれど
こんな風にじっと聴いてもらったことはなかったなと思いました。
相手が身近な人だからこそ
「こんなこと言ってどう思われるかな」
「重すぎるかな」
と思ったり。
逆に話しすぎて後悔することもありました。

「辛かったことは忘れて前向きにいきなさい」
と励まされてしっくりこなかったこともありました。

初めてのカウンセリングで
おしゃべりとカウンセリングの違いを
肌で感じ、
自分の日常生活には登場しない相手だからこそ
話せることがあることを体感しました。

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