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飲食店の広告宣伝は必要なのかどうか

私が現在やっているカフェ「珈琲文明」では、広告宣伝費というものをかけたことがありません。

宣伝費が「少ない」のではなく、文字通りかけたことがないのです。そうゼロ円です。でもだから「広告宣伝は不要」という考えでは絶対ありません。「広告」つまり、「ここにこういうお店がありますよ~」という存在を広く知らしめるということはとてもとても重要なことです。知らないものは行きようがないのですから。

現在、珈琲文明で広告宣伝をしていないというのは単に「運がいい」というだけの話です。

ここは自慢する場でも謙遜する場でもないので、少し赤裸々に話をしていきます。

開業当時、本当にお客さんが少なかったんです。確かにそのスタートの仕方(サイレントプレオープン)にも問題は大いにあり、またこの手法についてはまたそのうち必ずしますが、カフェを始めるということを一般の人はもちろんのこと、なんと親戚、友人、知人にも言わずに始めたわけですから、そりゃ人は来ませんよ。たまたま店の前を通りかかって気づいた人が入ってくるしかないんですから無理もないともいえます。
といいつつもお客さんが来ないことへの不安は物凄くしっかりありました(笑)。

考えの根拠はあったものの、特に身近にその(サイレントプレオープンの)前例があったわけでもないので、「やっぱりとてつもない間違いを犯しているのではないか」などの考えが頭をもたげたり、実は葛藤の毎日だったことをここに告白します。

そんな中で、強い意志で初志貫徹出来ました~!と言えたらカッコイイのですが、自分の中では限界が近いことを感じ、広告宣伝の効果的な方法を調べ始めました。そうです、つまり「広告宣伝をする」という方向に気持ちが向いたのが事実なのです。そして具体案を模索しているところに、救世主のごとく取材の申し込みがありました。

近くにある大学で学生たちの手により発行しているフリーペーパーでした。

その後ほどなくして今度はカフェの業界専門誌の取材。タウン誌、地域のケーブルテレビ、そして自分でもさすがに知っている有名番組。まさに雪崩のようで、全て無償で宣伝していただけたことに結果的になりました。

はい、結果的にです。そうです、全部結果論です。

自分の店ですから結果オーライでいいのですが、そんなに都合よく行かないはずだ、と思っている人のほうが正常だと思います。そして繰り返しになりますが「存在を広く知らしめる」ことは重要なのです。ですからここではまず「効果的な宣伝方法」と「どう考えても効率の悪い宣伝」の両側面を述べていこうと思います。

まず、大事なほうから。それは「効率の悪い」ほうです。

大原則として、広告宣伝そのものが昔ほどあてにならない時代だということをまず頭の中心に据えましょう。あなた自身、実際にどこかお店に行く場合、広告や宣伝がきっかけでどれだけ行きますか?

テレビや雑誌にしても宣伝ではなく、レポや記事での「紹介」、あるいは友人知人がブログ等で紹介しているのを見て、はたまた本当に店のそばを通りかかって入っているのが実情ではありませんか?私の場合そうです。

人々は昔よりもずっと「宣伝や広告のニオイを感じ取ると突然冷める」傾向にあります。

私の場合そうです。

某TVでの番組内広告宣伝(CMではなく番組の中での有料紹介コーナー)の料金表を見たことがあります。一般公開している話なので言ってしまいますと、
「(単発)5分で60万円」
「(週1回)5分とオマケ30秒で1ヶ月300万円」
私のお店はこの番組内で約8分間取り上げられました(もちろん無料です)。
そしてこの番組による効果が利益の部分で60万円以上あったかというと、断言します。

絶対にありませんでした(笑)。

他に、値引きクーポンがついたチラシを大量に撒く、というのにも私は異を唱えるといいますか、「値引きはしないことに決め」たのですからそもそも有り得ないのです。

「1回ですぐその後効果が表れるものではない、継続が大事ですよ」
「それによる固定客がつけばその後長年に渡るリピーターを確保出来る」

等々、広告業者さん側の常套句ももちろん知っていますし、それを否定するつもりもありません。
実際に効果がしっかり出る業態もあります。同じ飲食店の中でもチェーン店、さらには客単価が3,000円以上で、かつだいたいは複数組で利用し合計額が万単位になるような業態、つまり居酒屋などはクーポン付きのチラシ効果はかなり期待出来るのでやったほうがいいとも思います。

しかし客単価で1,000円いかないようなカフェで宣伝費用をかけてその費用分の集客が見込める可能性は極めて低いのです。ましてやその宣伝で発行したチラシに「値引きクーポン」などがあった場合、その値引き分を回収するのは相当困難といえます。

なんだかあれもこれもダメと言ってるようですが、何度も言いますが、それでも「存在を広く知らしめることは重要」なのです。

どうすればいいのか?

それでは効果的な宣伝方法を3 つ述べます。

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