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カフェ経営に全人生をかける!大袈裟!?

これから開業しようとしている人に向かって、したり顔で言い放たれるフレーズの中で、「美味しいお店なんていくらでもある」バンドコンテストで審査員が、「上手い人なんていくらでもいる」アイドルのオーディションで審査員が「可愛い子なんていくらでもいる」

昔からこれらの言葉を放つ人を個人的に好きになれません。もちろん言わんとしていることはわかりますし、ごもっともなのですが、大上段に構えた強者の剣を振り下ろしっ放しの言葉の印象を受けるのです。これらの言葉の主に親身な空気を感じないのです。

おそらくこの言葉の後には、「だから他にはない個性、圧倒的なオリジナリティを持たないとダメだ」と続くことでしょう。間違っちゃいないんですが、そしてもしも私だったらどういうかといいますと、ひと言で言ってしまうと同じになります(え~っ!?)。でもひと言で言わずに、超本気で真剣に考え、かつ統計的な結果からの話をします。

まず、「美味しいお店なんていくらでもある」ということは、「美味しくなければ即脱落」ということはやはり真摯に受け止めたいものです。さらに飲食店運営の三大重要フレーズ「クオリティ、サービス、クレンリネス(Q,S,C)」の三つがバランス良く全て平均点以上をクリヤーしているお店なんてどこにでもある?いや、これは実際に私が色々なお店を見てきた中での結論は、三拍子揃ったお店はどこにでもあるわけではなく、ハッキリ言って、実はかなり少数です。

さらにこれら3点のうち努力でかなりどうにかなるのもの「サービス」と「クレンリネス」のふたつです。
中でも「クレンリネス」に限っては努力以外の何ものでもありません。「サービス」に関しては少しその方向性を誤ったりするとサービスとはならない場合もあり、少し難しい話になってきますが、ここはもう難しく考えずに、「自分だったらどうされると心地よいか」と、「自分にとって大好きな人が来た場合、どのような対応をするか」の2点だけ心がけてみることに決めてしまってはどうでしょうか?

ちなみに来店された人だけではなく、当然そこに既にいる人全てが大好きな人という設定なので、偏りは禁物で、バランスは大切です。この点だけ念頭においてお客様と接することで、それでもうまく行かないことも多々あります。でもそこに指針を合わせて接客をしておけば、いわゆるリピーターと呼ばれる方々と自分はひとまず波長が合っているといえると思います。自分にとって波長が合う人たちがどんどん増えていくことは凄く幸せなことです。さて、もうひとつ。いわゆる先にも述べた「他にない個性、圧倒的オリジナリティー」の話をします。

このことを少し真剣に考えてみたんですが、ひとつのヒントとしては、「緊急性も重要性もない、それが無くても何の問題もなく営業は成立すること」の中に隠れているような気がします。

例えば飲食店にとって重要なことはもちろんQSCでしょうから、QSCとはまるで関係ないことです。QSCを疎かにせよということではもちろんありません。もちろんQSCに日々努めるだけでも大変労力を必要としますし、それだけでも結構支持はされることも多いです。
しかし最高の立地にあるとは言えず、家賃も原価も広告宣伝も無闇にかけるわけにもいかない個人店というものが広い範囲から認知されるためには、例えばメディアの取材などが考えられます。

コツコツ地道な営業に加え、ある意味ではウルトラC的な事柄で、幅広い範囲(年代的にも距離的にも)にアピールすることが出来ます。例えば、私のお店がメディア等に取り上げられる際に、何が取材対象になるのかということを分析すると、それは「美味しい、サービスがいい、店が綺麗」つまりQSCのどれかが取り上げられたことは無いのです。「美味しいコーヒーのお店」というのは少しあったと思いますが、サービスとクレンリネスに関しては皆無です(自信もって断言するのもなんですが・・・)。

結局取り沙汰されることは、「サイフォンのまま提供されるという提供方式」であり、「天井の空の色が時間で変わる、天井劇場」であり、「壷型のパンの器にカレーが入ったカレーパン」であり、「自分が人生をかけて心血注いできた音楽的なこと」、だいたいこれらのどれかに集中します。ここで大事なポイントとしてはそれぞれどれも自分が大好きなことで、労働ととらえずに楽しみながら出来るということです。

だいたいQSC及びその他の様々な「緊急で重要なこと」「緊急ではないが重要なこと」は実に多岐に渡り、それだけでもかなりの労働量なので、「さらに仕事が増えた」というような感覚はやってられないのと、またそれほど日々の業務は楽ではありません。今、私は音楽のことを「人生をかけて」と述べました。もちろん人生をかけて音楽をやっていない人や、その他、特に何かに人生をかけるほどの情熱を注いだことがない人だって多くいます。でもここからが重要です。私がここで最も言いたかったことになるかもしれません。

「個性やオリジナリティ」はそれこそ独自のアイディアや自分の得意分野がいいということは今述べました。でもこの「独自性」というものは、基本的に「新規のお客様」を引き寄せるという事柄に過ぎないと思います。リピーターが増えなければ必ず頭打ちになります。さて、どうするか?

それは・・・

(ここからぜひ真剣に読んでください!)

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