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​高価格帯にビビらない

さて、これまでにワンオペの個人店が扱うべき商品のポイントとして、「安くて良い(おいしい)もの」は大手に勝つのは難しく、でも「少し高いけど物凄く良い(おいしい)もの」になると、大手は実は介入しないことが多いので、狙い目という話をしたことがあると思います。


とはいえこの「少し高い」、はごく一般の消費者レベルから言うと単に「高い!」と感じる場合が多く、これから価格をつける側になる読者の皆様自身がこの「高価格帯にビビってしまう」という心理現象が起こるのは経験上よ~くわかります。今回は私自身が経験した「大いなる実験結果」の話をしたいと思います。


私の前職は学習塾の運営でした。全国に数千の教室を持つモンスターチェーンでした。生徒の授業料は都心だろうが田舎だろうが全国全て一律同じ金額でした。全国の労働者の最低賃金が異なっているのにも関わらず月謝は同じでした。私は入社当初の研修では杉並区、目黒区、渋谷区といった高所得者層が多い教室にいましたが、配属された教室は山梨県でした。都心と同じ方法論では一筋縄にいかないのはわかっていましたが、かといって授業料を変えるわけにはいきませんでした。


私がオーナーであれば授業料を安くしていたかもしれませんが、雇われの身ですからそんな選択肢はありませんでした。結果論になりますが、山梨のみならず、群馬、栃木、茨城も含めた北関東にある全ての教室の中で最も多くの授業料を納めていただいた教室になることが出来ました。はい、結果論です。


私がオーナーで授業料を好き勝手に決めることが出来る立場にあればこうはなっていないでしょうし、この時のある種の達成体験があるからこそ、業種は異なれど高価格帯に「ビビる」ことはそれ以来なくなりました。実際にどのような手法で運営していたのか、当時も社内でその情報共有をしたいと言われてよく話をさせていただきましたが、明確に説明出来ることばかり実施してたつもりです。

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