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「営業中のプロセス&パフォーマンス公開の有用性」


開業準備中から開業までの実況中継レポや写真を撮っておくことの重要性はこれまで述べてきた通りですが、今回はいざ営業開始となって日々のオーダーの中でそのプロセス公開や実演の重要性のお話をします。
唐突ですが私は中華料理屋さんで大将がチャーハンを作ってる様子を眺めるのが大好きで、あまりに好き過ぎてYouTubeでただひたすらチャーハンを作る動画を何パターンも見ていつまでも飽きずに見ていられます。
別に自分がチャーハンを作りたくてしょうがないとかチャーハンが大好物というわけでもないのですがとにかくあの中華鍋の中にあるパラパラ米が強火の中で踊る様やフライパン返ししながらオタマをカタカタ言わせ手際よく出来て行く様を眺めているのが大好きなんです。
だから町中華とかに入ってチャーハンを頼みたいというのは私の場合チャーハンを食べたいことよりもチャーハンを作る制作過程を見たい、しかもそれで完成されたものを食したいというのが本音です。
となるともちろんテーブル席なんかよりも調理風景を間近で見ることが出来るカウンターが特等席なのです。
ところで珈琲文明のコーヒーはサイフォン抽出です。
フラスコで沸いたお湯が上昇しロートにあるコーヒー粉と出会いその後コーヒーとなって下降してくる様をジ~っと見ているお客さんが一定数いますが、それもある意味私がチャーハンを作る様子を、その過程を見て楽しみたいという感覚に近いものなのかもしれません。
「透明のお湯は琥珀色に変わり ほろ苦く深い味となる 透明には戻れないけれど僕はむしろ彩(いろどり)の中で生きたい 綺麗なだけじゃない複雑な色を放ち それが人に届くこともある」という歌を作ったこともありますが→
https://www.youtube.com/watch?v=8fcLAw-DaAc
普段の営業中私はそんなこと考えてる余裕はもちろんなく(笑)、でもお客さんはそういう様子を見ながらただボーっとしたり色んな思いを巡らせているのかもしれません。
このサイフォン抽出過程をその都度披露していることもある意味実演パフォーマンスであり、それを見るのがこよなく好きだという人もいるのかもしれません。
だから皆さんもサイフォンでコーヒーを出しましょうということが言いたいわけではなく、ペーパードリップならペーパードリップの、「蒸らし」から始まり先の細いケトルから湯投される様を見ていたいというニーズもきっとあることでしょう。
私も表参道にあった大坊珈琲さんでマスターが点滴のように淹れるネルドリップをずっと見ていたこともありました。
お寿司屋さんでもそうですよね?板前さんが握る様を見ながら食べたいという欲求があるのは私だけではないでしょう。
繰り返しになりますが、こうした様を最も良く観覧できる席はカウンター席です。
カウンター席はこの時点で最もVIPなSS席になるのです。
お独り様が遠慮がちに座る席や他のテーブル席が空いていないから仕方なくカウンターでもいいやというのではなくカップルで来てテーブル席が空いていようが迷いなくカウンターに座る人たちも結構多いのはこういうことを実施しているお店のカウンター席であり、こうした実演パフォーマンスがカウンター席の付加価値を高めているといえます。
またこうした実演パフォーマンスはコーヒーのみならず他のメニューでも実演が可能な場合も多々あります。
珈琲文明のメニューの中で他の例を挙げるとするならばまずなんと言ってもカフェオレ(またはアイスカフェオレ)でしょう。
お客さんの目の前でポットを左右から注ぐ実演を見たくて注文する人があとを絶ちません。
特に若い人はそれを動画に収めてインスタに上げてそれが拡散され勝手に宣伝になってくれてもいます。

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