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​ドラマやCMのロケで使われやすい店舗の特徴

今回のこのテーマで書こうとしたら思い出した話があります。

これまでに珈琲文明が舞台となったドラマやCMの中で、話は来たもののボツになった案件もいくつかありまして、その中でもBIG3を挙げますと・・・

★「今からあなたを脅迫します」←連続ドラマのうちの一回分

★東京喰種(「とうきょうグール」と読みます)←人気漫画の実写版の映画で、原作の中でも「喫茶あんていく」というお店が出てきて重要な舞台となっているだけに期待値高まりまくってました・・・。

そしてもうひとつがこちらであります→「生きて、ふたたび」

NHKの連ドラという巨大爆撃でした。

ボツになった連絡は頂戴していたのですが、以降そのことは忘れていましてこの度の指南書のテーマで思い出しまして、そういえばあのドラマは結局放映されたんだろうか?と検索してみたらしっかり放映され終了しておりました。


制作事務所の方に「ちなみにどのようなお店が選ばれたのでしょうか?」と訊いてみましたところ「とある古民家」とのことで、これには納得するしかありませんでした。

というのも当店のような現役で日々営業しているところを舞台にしてしまうと、数週間に渡りロケで使用するため(かつて月9のドラマで当店が使用された時はほんのワンシーンにも関わらず早朝から3時間くらいかかったので、特にこの番組の場合は主演の舘ひろしさんの友人が経営するお店という設定で頻繁に出てくるため数週間休業するレベルでした)、その休業中の「休業補償(?)」のような費用もかかるのですが、これが古民家となってくると一気にまず制作コストが下がるため有利なわけで、それは確かにうちは負けるなぁと思ったものです。


さて、今回の本題に入ります。

「ドラマやCMのロケで使われやすい店舗の特徴」についてです。

QSCといった飲食店の重要3要素のような目に見えない要素ではなく、今回は物理的な要素、つまり内装や造作そのものがポイントとなる場合があるのでそこについて触れておきます(たぶん凄い貴重な情報です)。

当店をドラマの舞台として選んだ番組の監督さん自身が言ってた話なので確かな情報です。私はロケーションコーディネーター(※場所を選定する専門業者さん)の方からそれを聴きました。


それはズバリ「階段のあるお店を探してきてほしい」でした。

舞台の撮影というのは演者さんらを上空から撮るためにクレーンを使ったり、動きを出すためにレールを敷いたりもします。

クレーンなんかはそもそもお店の天井の絶対的な高さが必要であり、かつて某コーヒーメーカーが制作した「コーヒー探訪」というわずか2、3分の番組(そのかわりその時の放映は珈琲文明オンリーという独壇場でした)でしたがその時にクレーン撮影が成され、天井が高いお店でよかったと思いましたし、それはスタッフさんからも言われました。


さて、そしてもしもお店そのものが吹き抜けで中2階があったり、階段があった場合はこのクレーンそのものが不要で、カメラも自在に上空から撮影が出来るという、撮影コスパ的に見て大変利便性が高いのが「階段があるお店」あるいは「吹き抜けで中2階のあるお店」だったのです。

そういえば「孤独のグルメ」でもゴローさん(松重豊さん)が天井を見上げるシーンは中2階から撮っていたなぁ、などと色々と思い当たるふしがあります。

もっとも「孤独のグルメ」で当店が使われる決め手となったのが「階段のある店」だったとは思いませんが、映像的に見て結果的に上空からのショットが功を奏しているのは確かでした。

さて、今回ここで「だから店の内装造りにはぜひ階段をつけよ」とか「中2階席を設けよ」ということを結論としてしまってはあまりに乱暴だと思います。

階段や中2階はやはり造作費がバカになりません。


私の考えとしましては珈琲文明のようにもともと2フロアあった店舗を改装する際に天井を取っ払い、吹き抜けにする中で中2階席を設けることで床面積は10坪なのに中2階席の存在により12~13坪に相当し、席数も5席ほど増やせるという利点があり、初期投資は大きなものになりましたが、15年経った今では日々の客数を鑑み余裕で元はとっているばかりかこのようにドラマやCMで使われやすいお店というオマケまでついてきました。

ですからもしこれから皆さんが借りる物件が元から2フロアあったり、元々かなり天井が高い店舗である場合は中2階席の造作は一考の余地ありだとは思います。


しかし、家賃の問題やそもそも大胆な解体は不可である物件もあることでしょう。

もしも普通のワンフロアしかないお店でかつ天井もそこまで高くないお店しかないという場合の話をしましょう。

これは皆さんも自身でいろいろと考えを巡らせてみてください。

限られた条件下で自身の頭で考えてみるというのは何事にも大切です。

それではまず私だったらの話をしますね。

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