見出し画像

記念すべき第1号のお客様

前回の「サイレントプレオープン」のもう一つの本当の理由、それは、何より「記念すべき最初の、第一号のお客様は誰なのか?」をしっかりと意識しながら迎え入れたい、ということでした。

これを友人知人まで含めてしまうと、初日に必ず誰かしらの知り合いが駆けつけてくれたりもして、それはもちろん有難いことではありますが、とにかくプレオープンの最中は集中力の全てを一般の新規のお客さんに注ぎたく、その中でもやはり第一号のお客様へのこちらから興味関心は相当なものでした。

2007年6月16日に私が第一号のお客様に手渡した手紙(実物は手書き)がこちらになります。

この度この手紙文書貼り付けの後に、追記として「気になるその後の結果報告」も書いてみました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

珈琲文明来店第1号のお客様へ

初めてのご来店 ありがとうございます。
当店にとりまして、あなた様が初めてのお客様になります。
このお手紙はオープン前に書きました。
当店がオープンして、一番初めに来店されるお客さまは、
いったいどんな人なんだろう、
男性だろうか?女性だろうか?
年上だろうか?年下だろうか?
いろんな想像にワクワクしながら、
今この手紙を書いています。

あるいは、こんな手紙を突然渡されて困惑なさるかもしません。
でも、抑えきれない思いを込めたこの手紙を直接手渡したい気持ちは、
もうどうしようもありません。

珈琲文明は本日この瞬間から、100年続けていくのが目標です。
大袈裟な!と笑ってください。
しかしこれは大真面目に思っています。
つまり私が死んでもこの店は残したい、という、
とにかくかなりの長きに渡って続けていきたいというのが、目標です。

こんな具合に考えておりますもので、
「これから100年続くこの店の、
記念すべき第1号のお客様」ということで、
こちらとしましてはかなりの興奮状態にありますので、
実際にお客様がいらした時の自分の感情、表情、がどのようなものなのか、
自分でも想像ができません。

今回、本当の意味で、第1号のお客様を知りたいということから、
親戚、知人、友人にいたるまで、かなり徹底して、
本当のオープンの日も伏せて参りました。
大掛かりな宣伝もせず、ひっそりと開店してみました。
そんな中で、最初の扉を開けていただいたわけです。
この縁を大切にしていきたいと思います。
今後、何十年後かにこの店が「老舗」と呼ばれるほどになった暁に、
「この店は私が第1号の客なんだ」と感慨深くなっていただけるよう、
これから頑張って運営していきますので、よろしくお願いします。
同時に第1号のお客様にはいつまでも元気でいていただきたいので、
いつも、いつまでも、ご多幸をお祈りしております。

突然こんなものを渡してしまい申し訳ありませんでした。
ただ、私自身、随分前から、お客様第1号の方に早く会いたい、という気持ちでいっぱいでした。
本日、やっと会えました。感激です。
ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

2007年6月16日
珈琲文明 赤澤珈琲研究所代表 赤澤 智

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上が手紙文貼り付けでした。さて、その第一号のお客様ですが、なんと山形からお越しのご家族3名様でした。娘さんがこちらに住んでいたので会いに来た時に寄ったとのことでした。

ここから先は

608字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?