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How are you?って日本語でいうと

どうも、世界と人間のすべてに興味のあるひと@シリコンバレーです。

今日は僕が長らく疑問に思っていた、

"なぜ英語のコミュニケーションはHow are you?から始まるのか"

について、僕なりの考察を書きたいと思います。

学術的な根拠も分析も何もない、たった2年しかアメリカに住んでいない人の100%主観という前提で、読んでもらえたら嬉しいです。

How are you?って結局なに?

まず、直訳を見てみましょう。

世界最高の翻訳精度と名高いDeepLの答えによると、

元気ですか?

という意味らしいです。

元気ですかー?

僕だけでしょうか。

アントニオ猪木さんの声で再生されてしまうのは。

確かに、挨拶もしない態度の悪い店員さんがいると、「元気ですかー?」とほっぺたを引っ叩いて闘魂を注入したくなる時はありますが、この直訳はちょっとニュアンスが違う気がしています(笑)

なぜなら、「How are you?」は、いつ・誰と会った時にも使える言葉です。

元気ですか?という意味だけだとするとおかしい。

日本で初対面の人に「お元気ですか?」とは言わないですもんね。

だから、How are you?は、日本語にはピッタリ当てはまる概念がない「文化的な言葉」なのかなと思います。

りんご=Apple、みたいに1:1で日本語と結びつく言葉ではないとういことです。

日本語にも、そういう言葉はありますよね。

例えば、おつかれさま。

この言葉は、相手の頑張りをねぎらうときだけでなく、「ありがとう」や「こんにちは」に近い意味でも使えます。

文字通りの「頑張ったね」とか「疲れているでしょう?」という意味だけではありません。

こういう文化的な言葉は英訳しようとすると難しくて、「you did well!」とか「thank you」など、その時々で全く別の表現に変えないと合わないんですよね。

How are you?も同じで、単純に「元気ですか?」と聞かれているわけではない。

それが証拠に、

How are you?に対して、「Hi, how are you?」と返すことが頻繁にあります。

もしこれが、元気ですか?なのだとすると、

A:元気ですか?

B:元気ですかっ?

という会話になってしまい、世界中が猪木で溢れてしまいます。

元気があれば、何でもできる世界になっちゃいます。(←ならない)

How are you?の本質

じゃあ、結局どういう意味なのか?

僕なりの結論は「意味はない」です。

はい、身も蓋もありません。

もう少し正確にいうと、

「訳す必要がない、会話の礼儀にすぎないもの」

です。

そういう点だけでいえば、人の家に行って「トイレ借りてもいい?」というアレに近い表現な気がしています。

人を家に招いておいて、「ごめん!他は何してもいいけど、トイレだけは絶対だめ」なんて人はいません(笑)

だから本来、別にその質問に意味はないですよね。

だけど、一応聞くのが礼儀ですし、聞かれれば「いいよ!」って答えるのが普通です。

How are you?も、別に深い意味があるわけでも、「いや、実は最近さ・・・」みたいな長文の答えを欲しているわけではなく、たぶん、単に聞いているだけ。

だから、How are you?に対して、Hi, how are you?と返すだけでもいいんです。

なんなら職場では、How are you?と投げかけておいて、こちらの答えを聞くでもなく、サッサと会議室に向かってしまうひともしばしばです。

How are you?の効果

How are you?自体は深い意味も訳もない、本質的には質問ですらないとするならば、なくてもいいじゃん!と思ったりもします。

特に最初は、カフェの店員さんがメニューを聞く前に「Hi, how are you?」と聞いてくるのに対して、何でだろうと思っていました。

しかも、アメリカにはこの意味のないHow are you? Good, you?みたいなやり取りのバリエーションが無数にあって、

  1. How's it going?

  2. How are things?

  3. How do you do?

  4. What's up?

  5. How have you been?

  6. How's everything?

  7. What's new?

  8. How's life?

  9. How are you doing?

  10. How's your day going?

  11. Are you okay?

  12. Anything new with you?

色々な表現で聞いたり、聞かれたりを毎日。

答え方もいろいろで、

  1. “I am doing well, thank you.”

  2. “I am doing great, thanks for asking.”

  3. “Very well, thank you. And yourself?”

  4. “I am doing alright, how are you?”

  5. “Not bad, yourself?”

  6. “Pretty good, what about you?”

  7. “Hanging in there, how ’bout you?”

  8. “Can’t complain, what about you?”

  9. “Living the dream.”

  10. “Pretty peachy.”

  11. “Hanging in like a hair on a biscuit.”

  12. “As happy as a clam.”

まぁ実際には後半の方のしゃれついた表現はあまり聞きませんが笑

でも、こんな感じのことを最低でも1日に10回は人に聞いて、人から聞かれて、「Good」とか「Fantastic」とか、「Awesome」とか、「Couldn't be better」とか、答えていることには、馬鹿にできない効果があるのではないかと最近思うんです。

これが何気に毎日の小さな幸福感につながっているのではないか、と思うんです。

人生って、生きてると実際にはbad dayばかりじゃないですかね?

平日は朝から晩まで脳みそちぎれるんじゃないかってくらい働いて、

ようやく取れた長期休暇で楽しみにしていた沖縄旅行が全日程、雨。

新品の靴を買ったら、帰り道にはもう靴ずれる。

1時間かけて向かった大好きなシンガポール料理屋が、臨時休業。

ギリギリ我慢して入ったトイレで、肝心のペーパーがない。

Bad dayまでいかなくても、So so(まぁまぁ)くらいの日が多いのが、僕の日常です。

だけど、どんな日もHow are you?と聞かれれば、「いい感じ!」とか「最高!」って答える。

そう思っているからそう答えるのではなく、単に答える。

トイレ貸して!

いいよ!

このくらいのノリで、反射的に答える。

ただ、言葉がポジティブだから、一応、顔面もポジティブな感じで答える。

そうするとその後に続く会話も、やっぱりちょっとポジティブなテンションになる。

「週末に友達とメキシカン料理を食べる予定なんだよ」とか「今日、洗車に行ったら兄ちゃんがめっちゃいい人でサービスしてくれたんだ」とか。

オチも中身もない会話でも、基本的にはポジティブなトーンで話をする。

これが1日10回くらい積み重なると、じわじわと効いてくる気がしています。

ブルーハーツ的に言えば、

なるべく小さな幸せと
なるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう
そんな気持ちわかるでしょう

ブルーハーツ「情熱の薔薇」

って感じで、ドカンと大きな幸せを狙って頑張ることもいいけれど、なるべく小さな幸せを、なるべくいっぱい集める人生も悪くない。

そう勝手に解釈して、このHow are you?文化は結構気に入っています。

Goodじゃない時もある

ただし。

小さな幸せを集めることは言葉の使い方一つ、考え方一つでできるかもしれないけど、小さな不幸せだけを集めるのって難しいですよね。

諸行無常の世の中は、時を問わず、場所を問わず、大きな不幸で溢れているのも事実です。

元日に大地震が起きて、大切なひとやモノを失ったり。

スーパーボウルで大盛り上がしたその週に、3回もの銃乱射事件が起きて、大切な命が失われたり。

何とはなしに受けた健康診断で、重大な病気が見つかったり。

大きな幸せの瞬間も、小さな幸せの日々も、次の瞬間には大きな不幸のどん底へと突き落とされてしまうことがあるのが、人生だと、お釈迦さまは説かれています。

How are you?って聞かれて、作り笑いでも、Goodって言えない時もある。

集めてきた幸せを全て置いて、この世を去っていく時が100%くる。

こうした事実を無視して、本当の意味で明るく楽しく生きることって難しいんじゃないかって思うんです。

心のどこかに、常に不安があるわけですからね。

だからこそ、そんな時のために、小さな幸せに守られている今のうちに、ちゃんと芯のある哲学を内側に持っていたい。

そんなこんなで、かれこれ10年以上も仏教を勉強してるんだと思います。

また、毎日毎日、飽きもせず人にお話をしているんだろうと思います。

Cafe&Bar-ジブンを始めたのも、そんな思いがきっかけでした。

こういう「日常から染み出した哲学」みたいなテーマでいろいろな人との対話をしながら、もっと気軽に大事なことを語り合い、学び合えるがあったらいいなーという感じ。

渡米してからは時差の都合で、ごくごく限られた時間、しかもオンラインでのみやらせていただいていますが、もし興味があればぜひLINE@から予約をしてみてください!

お待ちしてまーす😌

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