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信頼の記号

デジタルネイティブな時代において、情報はますます飽和化、多様化しているがゆえに、「広告」は所有ベネフィットだけを伝えるだけでは人の心は動かせなくなっていると思っている。

そのため、今まではサブ要素だった「振り向かせること」や「信頼してもらうこと」というのが所有ベネフィット訴求と並んで必要不可欠になっているのではないか?という印象。
そのため、1つのタッチポイントで「所有ベネフィット」「信頼してもらう」「振り向かせる」の3要素を達成するのは困難であるし、それぞれの適したタッチポイントで目的に合わせたメッセージを伝えていく必要がある。

その中でも「信頼してもらうこと」というのは、マーケティングファネルにおける「認知」とも密接に絡んでいると思う。ブランドを記憶してもらう際には「このブランドは信用・信頼できる」ということとセットになる必要性が高まっているということである。
情報が飽和化、多様化するということは、信頼性の低い情報が社会に発信される確率が高まるということでもあり、例えばコロナ禍におけるフェイクニュース増加はますます「信頼」へのプライオリティを上げるだろう。
今まではTVCMをやるだけで「TVCMをやるようなブランド」ということで信頼を得られていたが、それではもはや足りないのだ。

この時、信頼してもらうための記号とは何なのかを考える必要がある。この中でも安直で最強の信頼の記号は「選ばれてNo.1」だ。
「No.1」訴求はあまりも増えすぎてて、TVCMだけでなくデジタル広告でも、明確な証拠(エビデンス)の提出が必要など考査が非常に厳しくなっていることからも、「信頼」記号のこの麻薬にも近い強力さが分かると思う。
かつて某D2C系シャンプーブランドがNo.1を訴求した際には、なんと楽天フランス、楽天アメリカでの売上No.1をエビデンスにした際は呆れつつも、人心をつかむためのハッキング手法として関心したのだが、好事例だと思う。
また口コミは所有欲求のトリガーになるといわれて久しいが、「No.1」とは、その口コミを数値化し、記号化したものでもある、と捉えられるかもしれない。

「No.1」の信頼の記号性を今回は取り上げたが、この他にも信頼の記号について気づいたときに取り上げてみたい。


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