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うまいものを不味く食べる

日曜日のお昼時、妻はいない。
娘と息子と3人でお昼ごはんはどこに行こうかと悩んでいた。

「マックがいい!」(息子)
「わたしラーメン食べたい!」(娘)
(割れた。これはマズイ)

「マックこないだ食べたばっかりやん!」(娘)
「ぜんぜん食べてへんわ!」(息子)
(いや、今月3回目である・・)

「ラーメンぜんぜん食べてないし!」(娘)
(いや、そっちは今月2回目・・・)

「あんただってラーメン好きやんか?」(娘)
(それを言うなら、あんたもマックが大好きだろう)

「オレは今日、マックの気分やねん!」(息子)
(マック以外の気分を聞いたことがない)

さすがにマックはもう飽きた。どちらかといえば、お姉ちゃんにがんばって欲しいと、私は密かに期待していた。

「ラーメン屋やったら唐揚げもあるで」(娘)
(見事なカウンターだ。息子は唐揚げには目がない)

「ポテト食べたいし」(息子)
(油だったら何でもいいのか!?)

財産のない我が家では、姉弟の骨肉の争いもせいぜい鶏ガラと牛肉程度だ。(これを平和という)
互いに散々罵り合ったあげく、最後は姉の方が妥協することに。

「え〜、もうじゃマックでいいわ・・・」(娘)
「決まった!じゃあマック行こ!」(息子)

息子は一人喜んでいるが、私と娘は明らかにイヤイヤ感を漂わせている。
その空気を察してか、マックに向かう道中に息子もだんだん口数が減ってきた。
到着して食べるころにはすっかり空気は沈み、全員がただお腹に食品を入れる作業を繰り返すのみである。(ちなみに初めていった店舗だったが、ポテトが揚げたてですごく美味しかった)(美味しかったが、息子の前で「おいしい」というのは何となく癪なのでモソモソ食べることにした)

おいしいものをわざわざ不味く食べるなんて馬鹿げているなぁと、周りで楽しそうに食事する人たちを眺めながら考えていた。マックにしろラーメンにしろ、もっとみんなでおいしく食べる方法はあったはずだ。

どんなおいしいものでも雰囲気が悪ければおいしいと感じない。(ポテトは除く)
逆に大したおいしさではなくても楽しい雰囲気で食事できればおいしいと錯覚するだろう。味の印象なんて思っているほど強いものではない。
ちなみに私は勉強のためと思い、妻と二人でランチに10万円を使ったことがある。しかし10年も経つと何を食べたか全く覚えてはいない。残っているのは、ランチに10万使ったというセコイ武勇伝だけだ。

これを教訓にうちのお店ではもっと食事やコーヒーを楽しんでもらう雰囲気をつくらないと。そう、改めて考えてしまう。不味いものが出ていてもおいしいと感じてもらえるくらいに。いや、こんな言い方だと不味いものを出しているみたいだな・・。

うちはコーヒーもケーキも全ておいしいんだ。
嘘だと思うなら、ぜひ食べに来て欲しい!

今度、ホットサンドを始めます・・・。

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