1on1の時に相手の話をどう聴いているか

1on1の時、私が話し手の話をどのように聴いているか尋ねられたので、その時答えたことから整理して、せっかくなので記事にしてみました。

まず巷にはいろいろな1on1がありますが、私は聴き手と話し手の2人きりで話し手の話を聴くこと、話し手に問いかけることを通して、話し手自身が自分の考えを整理したり、気づいたり、内省を深めたりする聴き手と話し手の行為として、この記事を書いています。少なくとも私は、私自身が話し手のことを知る、理解する、という聴き手側のためになることは1on1の中で意図していません。また、私が1on1の進め方やその時間の使い方以外には何ら提案したり、自分の考えや意見を披露したりすることはありませんし、話し手と同じ世界観を共有したり、話し手に中途半端に共感をして励ましたりもしません。そのため終わった後は、私は話し手のことを始まる前よりも知ることができたということはほとんどありませんし、私が話し手への信頼感を深めることはありません。逆はあるようですが・・・

なぜそのような聴き方をするかというと、1on1において聴き手と話し手が共有しているのは、今ここの時間と場所だけだからです。それ以外のことは何も共有していないからであり、たとえ仕事を一緒にしていたとしても、一緒に住んでいたとしても、家族だとしても、話し手の思考や感情はわかりえないと思っているし、常に変化するものだと思っているからです。そのため、1on1において私が焦点化するのはあくまでも目の前にいる話し手の今ここのみです。

そのようなスタンスの中で、私は話し手の何を観て、何を聴いて、何を問いかけているのかということですが、大きくは次の3つのことを意識してています。

話し手の話の中から、話し手がどのような願いや希望を持っているのか

基本的に話し手には自由に話をしてもらいます。話し手に話したいことがなければ、きっかけとして話し手に最近のことや悩みなどがないかを問いかけて話をスタートしてもらいます。その話の中から、話し手が今ここで語っている裏には何があるのか、どのような願いや希望を持っているのかを探っていきます。ここで私がやらないように意識していることとしてはネガティブな愚痴を聴かない、ネガティブな問いかけをしないということです。ネガティブな話を聴いていると1on1の雰囲気が暗くなってくることもありますが、私自身が話を聴くことに疲れてくること、エネルギーを余計に吸い取られるためです。ネガティブな話や愚痴をされたときは、特にその話の中から話し手が実現したい未来や希望は何なのか問いかけるようにして、意識をポジティブな方にもっていくようにしています。

話し手の話の中から、話し手が気づいていない強みや価値観は何か

上記に似ていますが、話の中からどのような強みや価値観を持っているのか探るように意識しています。話を聴いていると自分の強みに気づいていることが少ないように感じます。またどのような価値観をもっているのか、ポジティブコアは何か、ということに気づいていることは少ないように思うため、1on1の中から話し手が気づいていけるように問いかけていきます。

話し手の話を聴いている私(聴き手)の中に何が起こっているのか

話し手の話を聴いて、話し手側に意識を向けている一方、私の中に何が起こっているかにも意識を向けるようにしています。これは話し手の話を聴いて自分の中から湧き上がってくる感情に気づきそれを伝えるためです。私自身が自分を使って伝えることで、話し手の気づきにつなげることを意図しています。しかしこれはあくまでも私の中に沸き起こった感情を伝えるだけで、相手の話を解釈し私の思考を伝えることではありません。

意図をもって話し手の話を聴くこと、問いかけること

1on1の時には相手の話を聴き、基本的には意図をもって話し手に問いかけています。それは、意図をもって問いかけることが、話し手自身が自分の考えを整理し、気づき、内省を深めることにつながると考えているからです。

もし1on1で話を聴いて欲しいという人がいましたらご連絡ください!

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