見出し画像

プリズン・サークル

プリズン・サークルの映画を観た。

内容は刑務所で行われている治療共同体(Therapeutic community、TC)についてであり、集団療法、ゲシュタルト療法をベースとしたの各手法を通して過去に向き合い、過去を完了していくプロセスからの受刑者の語りが繰り広げられる。これまで自身の内側を語ること、聴いてもらい受容される体験を通して更生し再犯を抑制していく。語ることのパワー、コミュニティが一人の人間としてその存在を受容していくことのパワーが強力かということを感じさせてくれる。

そのためか、観ていて自分もその輪の中で受刑者の話を聴いている感覚になった。受刑者の語りを通して自分も自分の過去の体験が想起され向き合うことになり、見終わった時には集中的なグループ体験を2時間の中で凝縮してやったようなそんな疲れを感じた。

誰でも一つ間違えればその一線を越えてしまうような、でも超えないのはたまたま少しだけ恵まれた環境にいたからではないかと思えてくる。如何に負の連鎖を断ち切るのか、親を変えることはできないがそれでもなお親の呪縛から如何に自立するのか、コミュニティを通した自助グループを如何に創って行くのかがカギではないか。そのためのコミュニティや自助グループを創って行くための方法の一つとしてのトレーニング・ラボラトリやTグループの可能性を感じる映画だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?