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ビルゲイツとジェフなんとか




目を開けてみる


ありきたりな窓のサッシと壁紙、


想像してたよりも綺麗じゃない。


きみは、

さっきまでみていた世界をもう一度みようとして、

もう一度目を閉じてようとした。



2度目のアラーム



ビルゲイツも同じ景色をみてるんだろうか?


なんて、世界中のお金持ちの象徴となったひとの顔を思い浮かべた。


スキンヘッドのーーー



3度目のアラーム



こんな小さい機械が、

こんなに大きい音をだして、

3年近くも問題なく動いていることに感心しながら、


自分の苦痛の不意をつくように、

一気にドアノブを掴む。



お湯を沸かし、


ヨーグルトにグラノーラを入れて、


流れるような動作で、



ーーートイレに入る。



水に少しだけお湯を足して飲みつつ、


バナナがないことに気づきながら、


ヨーグルトで少し柔らかくなったグラノーラを食べる。



「あの橋までにしとこっかな」



きみは起床の達成感のご褒美を、

ランニングの距離を短くする免罪符に転用してみる。




一気に食べてボールに水を張り、

時計の充電を確認して、イヤフォンをつけ、


ドアを開ける。



玄関の前でしゃがみ、

紐を結びながら。



「やっぱり予定通りがんばろ」




うん。そう言うよ。

きみは。




走り出してふと、

(あのひとジェフなんとかだっけ?アマゾンの)


朝のお金持ちが別人だったのをふと思い出した。




少し曇った空、

鳥たちが体を寄せ合っている。



あの寝室よりもすこし綺麗な世界。







※リバーサイドランニングクラブは、

Cadence180が書くランニング・ショートストーリーです。

Cadence180はランニングやウォーキングのテンポをキープするための音楽を作っているミュージシャンです。

本日、彼女が聴いてるのは

 Running Cadence : 170

https://music.apple.com/jp/album/running-cadence-170/1603576663?i=1603577294



寒い日のランニングにあなたのランニングに集中をもたらしてくれるでしょう。

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