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⑥涙ぐましい日本人妻たちの努力

「国際結婚・国際離婚 これから私は”I do what I want!”」の⑤章目

①はじめに はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/nd5a330e83404
②なんでアメリカ? はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/nd5a330e83404#2uF14
③出会いのルール はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/n845408684233
④嫁姑問題問題は万国共通 はこちら↓↓↓
https://note.com/caco28may/n/neabf4f5b01b1
⑤.「みんなと一緒はちょっとイヤ…」はこちら
https://note.com/caco28may/n/n6a8916bd8d2b

母国以外で暮らす異国人妻は強く逞しいと私は思う。
妻だけではなく学生や駐在として働く人たちもそうだとは思うが特に妻は強くなければ生き残れないのかもしれない。

私はどちらかと言うとそれほどメンタルも身体も強くはないし、ゲスな国際離婚を繰り広げたあの時はただただ必死で、死なない為に周りに助けてもらいながらするべき事をひたすらこなしただけなので、強くなったのかと問われると自分では首をかしげる。
離婚の話はまた別の機会にゆっくりと話すことにして、今回は異国妻、とりわけ勤勉と言われる日本人妻について書いていこうと思う。

誰でも生まれ育った環境の習慣や食べ物で『これは譲れない』と思うものは1つや2つあると思う。特に食に関しては尚更なのではないだろうか?
お米が主食の国に生まれ味噌汁や様々な日本ならではのおかずやお菓子が懐かしくなることは異国にいると更に強く感じる。が、いかんせん異国。
そう簡単には手に入らない。
今は比較的気軽に(金さえ出せば)割高であってもインターネットで注文して手に入るようにはなって来たが、それは生活費をキチンと出すパートナーが居たり、しっかり自分で働き十分な稼ぎがある場合であって色々な理由で働けない・生活がカツカツな場合は涙を飲んで耐えることになる。
でもどうしても食べたい!!!
そうなったとき日本人妻たちは実に涙ぐましい努力をして、少しでも近い味のものを自ら作り出そうと奮闘する。

料理好きなら「どんどん色んなことを覚えられるし作れるようになるなんて!その過程も楽しい♪」なんてウッキウキで臨めるだろうが、私のように結婚前までは必要最低限の料理のみ・結婚後にようやく本格的に料理を始めた者にとってのそれは必要に迫われてであってInterestingではあっても
Funにはまだなって居ないし、なかなか辛い修行である。
私の場合は元夫から経済DVを受けていて生活費を一切貰えず、お小遣い程度の在宅ワーク報酬全てが家計に消えていたので、気前良く『食べたいものや欲しいものを買う』為には自分の独身時代の貯金を切り崩すか、アメリカで手に入る限られた食材や商品の中で何とか似た味・それっぽいものを作る他なかった。
最初に住んだミズーリ州はビックリするほどの田舎で近所のスーパーの選択肢も少なく、アジアンマーケットなどは時速120kmでハイウェイを車でぶっ飛ばし1時間半のところにしかなかったので中々苦労した。
でもそんな中でも不幸中の幸いで割と近所に軍人の日本人妻・フィリピン人妻たちが住んでいたお陰で寂しい思いもせず彼女たちに知恵を授けられながら料理の腕も多少は上がったかもしれない。
彼女たちの努力と言うか知恵は本当に素晴らしかった。
家の中を土足禁止で日本と同じように靴を脱ぐ生活に統一し清潔に保ち、
食べ物に至っては味噌を作り、納豆を作り、塩麴も作り、あんこまで手作りし、惣菜パンや菓子パン・肉まんも胡瓜のキューちゃんも味ぽんも手作り、カレーに至っては小学校の家庭科ではるか昔に教わった小麦粉とカレー粉を炒める方式でおいしく作り上げていたし、『練り梅が食べたい』と誰かが言えばこぞって代用に出来そうなものはないか検索しルバーブと言う植物の茎の部分を煮詰めれば味が練り梅そのまんま!と言う情報を見付け誰かの家でみんなで作って喜んだり、中にはもやしまで作る猛者もいた
もやし…日本では金欠の時の強い味方の食材がアメリカではなぜか高い。
しかもシャキシャキな状態のものは少なく逝きかけた『あれ?ちょっと溶けかかっている?』と言うものが量り売りとは言えビックリする価格で売られているのだ。
料理についてまだInterestingだった私でさえも、中華麺も気軽に手に入らないのでパスタを重曹の入った湯でゆでて縮れを出して代用し豚骨スープとチャーシューを手作りして美味しいラーメンを作る技も身に着けた。
餃子の皮だって手作りしたし、割高ではあるが普通に売っていたワンタンの皮を使ってシュウマイも作った。
薄切り肉が売っていないので(我が家はスライサーなんて高価なものを買うのに躊躇←当然元夫は買ってくれない。そもそも色々日本食をリクエストしてくるくせに金は出さないケチ元夫なので)半解凍にした肉を包丁で薄く切って牛丼や生姜焼き用にしたり、牛タンを1から捌いたこともある。凄い、私!!嫁の鏡!!!今思うと本当によく頑張ったと思う。

日本に居ても上記のようなものを手作りする方は居るだろう。
買うことが出来るのに。
何故か?それは料理が好きだから。でも思い出してほしい。
私は料理が得意でも大好きでもない。必要に駆られてやっていただけだ。
手に入らないとなると尚更食べたくなったり欲しくなるのが人情で、日本では見向きもしなかったひじきが猛烈に食べたくなって両親に頼んで送ってもらったり、はたまた日本人妻たちでポットラックランチを開いたときに物々交換して凌いでいた。そしてそんな生活も私はそれなりに楽しんでいたなぁと今になって思う。

アメリカ生活で学んだことの1つに賞味期限なんて気にする必要がないと言う事も大きいだろう。
日本に住む両親や友人が送ってくれた大切な大切な日本物資、特に食品。大事にしすぎて賞味期限が切れるなんて日常茶飯事だったが、捨てるなんて恐れ多い。どうしたものか…と思いつつスーパーに行くと数少ないアジア食品コーナーでシレっと賞味期限切れの乾燥うどんや調味料が堂々とちょっぴり値下げされて売っているのを見て「なぁんだ、堂々と売っていると言う事は賞味期限切れってそれほど問題ないんだね」と判断し、それから何の躊躇もなく期限切れ品を食するようになった。さすがに賞味期限が3年過ぎた高野豆腐は戻して出し汁で炊いても何やら変わった味と匂いがしておいしくはなかったけれど食べられなくはなかったし。半年ほど期限の切れたすし太郎で作ったちらし寿司は元夫の同僚の若いエアマン達にとても好評だった。
私の周りの他の日本人妻たちも同じようなことを言っていたし賞味期限切れに対してとてもおおらかだったと思う。食品ロスが叫ばれている今、日本はもっと賞味期限に対しておおらかに、そしてどんどん活用する社会になって行って欲しい。
話が逸れたし賞味期限とは関係ないが-20度のミズーリ州の冬の日の夕方、釘を買いに行ったホームセンターを出たところで突然「赤いきつね」の出汁の香りを私の鼻がキャッチした。
絶対に気のせいだとは分かっているが、あれは絶対「赤いきつね」!または「どん兵衛きつねうどん」!!!食べたい、あのつゆが飲みたい!!!どうしても食べたい。体の全細胞が欲していた。
でも、ここはアメリカのド田舎。どこにも売って居なくてもちろん家にもなくて途方に暮れた私は車を運転しながらむせび泣いたことがある。
私はアメリカで生活していた時ホームシックになったことはなかったが、食いしん坊なため「赤いきつね」恋しさに泣いたのだ。

みんながみんな、私のような経験をしている訳ではないと思うが、私がアメリカで出会った日本人妻たちは私を含め本当によく働き、限られた食材と予算の中でおいしい料理を家族に提供していたと思う。中には「彼が日本食はあまり得意じゃなくて~」なんて言って夫用・自分用・子供用と3食それぞれ3種類の食事を用意している人までいた。
偉い!偉すぎるよ!!
作ったものに文句を言って食べない奴には『じゃあどうぞご自由に』と言ってやれば良いんだよ、作ってやる必要なんてないんだよ!!夫は赤ん坊じゃないんだから自分の面倒は自分で見させて良いんだよ!!!と力説したこともあるが彼女はふんわり笑って聞き流していた。。。
そんな妻の努力をキチンと評価するパートナーならば頑張る甲斐もあると言うものだ。おそらく彼女の夫はキチンと評価して感謝を表す人だったのかもしれない。
残念ながら私はそもそもの人選を誤ったし、頑張らなくて良い相手に頑張りすぎてしまったが。

海外に住む日本人妻たちよ!あなた方の努力、私は知ってるよ!!
頑張ってるよね!本当によくやっているよ!!感心する、偉いよ!!!
声を大にして彼女たちを称賛したい。もしもあなたの友人の中に海外に住む日本人妻がいるならば、どうぞ褒めたたえてあげて欲しい。

私が同じシチュエーションにもしもまたなるのであれば、今度はその過程を楽しんで好きと言えるようになりたい。料理好きと言えるようになりたい。
そのときには色んな調理器具も買ってしまおう、いや買ってもらおうと今から企んでいる。
そうよ、私、別に料理が嫌いなわけではないんだから。
でもその努力をもちろんパートナーに褒めてもらいながらね。

教訓:『~風』ではあるが大抵のものはどこでも作れる(と、思う。)
 料理は実験。日本人妻は素晴らしい実験者たち。
 でも何事も楽しんで取り組むのが大事。

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