弔い

出勤。自転車での通勤中、
外気を大きく吸い込み、肺に、鼻腔に届ける。
空気がひんやりと感じられる。
草花の香りも豊かだ。

職場に着く。仕事部屋に荷を下ろす。
裏口をあけ、両腕を空に突き上げ伸びをする。

小さなカタバミが花壇を彩っている。

かがんで眺めていると、
1匹のありに目が止まった。

そのありは、同胞の亡骸を運んでいた。
やがて茂みに消えていったが、
それまで目が離せなかった。

彼らにも
弔いの文化があるのだろうか。

そんなことを思う朝。


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