オンライン授業
午前九時、起床。オンライン授業で狂いに狂った体内時計も今日は多少まともになっただろうか。夜中にやった課題の疲れがまだ残っている。だが、まだ火曜日、今日の授業も聞かなければならない。二度寝するのは後々面倒だ。
すっかりオンライン生活にもなれてしまった。ここ数か月の8割はこの六畳間にいると言っても過言ではない。去年一緒に講義を受けていた級友の顔なんてもうぼんやりとしか思い出せない。今年の新入生は気の毒だと思う。なにせ思い出す級友すらできていないのだから。
そんなことを思いながら惰性でノートパソコンを開く。退屈な講義動画を1.5倍速で見ながらノートを取る。大学教授たちはなぜこんなにも話すのが遅いのだろうか、自宅で緊張感のない精神にとってはただの催眠術でしかない。
2/3に短縮した講義動画を見終える。約40分経った後の僕の頭は少しでも賢くなっているのだろうか。そろそろ勉強する意味すら見失いそうだ。そもそも持っていたかもわからないが。
せっかくの有り余る時間、趣味にでもつぎ込みたいものだが疲労が睡魔を呼び寄せる。ついでに明日締め切りの課題もまだ終わっていない。毎日がこんな感じだ。課題の締め切りに追われ、疲労により人生のモチベーションは低下、もはや堕ちるところまで堕ちた。弾かれることなくチューニングの狂ったギターが寂しく部屋の隅を飾っている。
将来何をやって生きていこうか。そんなことばかりを考える。SNSのおかげで同世代の才ある者たちの活躍が毎日この目に飛び込んでくる。そんな才能を羨むだけで一日が終わる。何とも虚しい。
できるようになりたいことなら山ほどある。絵も描けるようになりたいし、音楽だって作りたい。でも、そこに情熱はない。ただできるようになりたい、そんな薄っぺらい欲望が僕の心を満たす。過程なんてどうでもいいから結果を寄越せと心が喚く。
そんなこんなで気づけば夜だ。まだ今日に縋っていたくてまた夜更かししてしまう。夜更かししたところで一日が27時間になるはずはないのに。スマホのロック画面の日付はとっくに今日ではなくなっている。それでも寝ない限りは今日が続くと思っている僕は確かにいる。
今日もまた寝れない。明日締め切りの課題があるから。
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