カカオ82%

短めの小説を書きます/不定期投稿/書くかどうかは気分次第

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最近の記事

オンライン授業

午前九時、起床。オンライン授業で狂いに狂った体内時計も今日は多少まともになっただろうか。夜中にやった課題の疲れがまだ残っている。だが、まだ火曜日、今日の授業も聞かなければならない。二度寝するのは後々面倒だ。 すっかりオンライン生活にもなれてしまった。ここ数か月の8割はこの六畳間にいると言っても過言ではない。去年一緒に講義を受けていた級友の顔なんてもうぼんやりとしか思い出せない。今年の新入生は気の毒だと思う。なにせ思い出す級友すらできていないのだから。 そんなことを思いなが

    • 最後のゲームセンター

      20XX年、未曽有の災害に世界は襲われた。 多くの人が死に、社会は完全に崩壊した。それでも人々はしぶといものでコンクリートの上から土の上へと、少し時代をさかのぼったような生活をしていた。そのため都市部は廃墟となり、人々は元田舎の辺りに新たな生活拠点を築き、協力し合いながら生活していた。 廃墟となった都市部に比較的近いところに住んでいた私にとって、そこは恰好の遊び場だった。まだ当時は自動発電システムが一部生きており、街中にはところどころ弱々しい明かりがついていた。そんなとこ

      • ピンボケした視界

        いつからか僕の視界はピントが合わなくなっていた。 ブルーライトが目に突き刺さる。眠気を感じて熱をもった目が余計に熱くなっている。今日に未練がある僕は今日も眠れない。何も見ていないのに画面を、ただ覗いている。 いつからか僕の未来にはもやがかかっていた。 昔は今日を生きるので精いっぱいだった、それでよかった。今は、漠然と未来に向かって進んでいる。今日という一日すらあやふやなのに未来なんて見えるはずがない。僕は先の見えない、足元すら見えない道を、歩いている。 いつからか僕の

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