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2021年2月6日、東京都

夜、職場の新人が話をしたいと連絡をしてきた
相談事と提案を聞いて、ずっと話してくるからもう2時とかじゃんとか思いながらも、なんとなく「そう言うの嫌いじゃないし」と感じながら布団に入る準備

最近、寝る前に深呼吸の大切さに気づいて、並走してくれるナビゲーションアプリリなんかをスピーカーで流して、
ダイニングでかけっぱなしだったレコードのスイッチを切って、窓を閉めて、デュフューザーから何かしらの匂いを出し始めて、
JBLの無駄遣いでBluetoothなんかで川の流れる音を聞きながら

朝、起きる

土曜日は自然に早起きで、平日よりも規則正しい

遠足か お前それは

とりあえず読みたい本を持ち、神保町か池袋あたりにボクシングの練習とラーメンをセットにして、どちらかが終わったら本を読み、本をまた買う

午後は映画か寄席か美術館

今日はなんとなく、神保町あたりを歩きたくて、パレスサイドビルの中から、近代美術館で開催されている「眠り展」の中に入ってみて

人は何かを意識している時、きっと「起きているから見てる」

だから、寝ている時は「感じる」きっと

アートは見て、感じる

だから、ここでは起きているのに眠りの中に入る

お気に入りの写真があったので、スマホで撮影するだけなんて虚しいですねと思ったので、写真集を買う

投資でもなんでもなく、ただ、今日、ここでコーヒーでも飲みながら眺めたくなったから、買う

国立近代美術館には「長めの良い部屋」と言う場所がある

ただ、椅子に座って少しだけ高い場所から大手町のビルと、皇居を見る

下から見上げると、東京の街は何か息苦しい
どこまでも高い場所まで背伸びしなければいけないような気分になる

だけど、ビルと同じような高さで見つめてみると、この街の空はどこまでも続くように広いと気がついて、なんだよ、自分の居場所でも合うじゃんね
となんとなく、気づく

展示の中で、楢橋朝子さんの写真のシリーズ、「half awake and half asleep in the water」に魅了されていたのだけど、この写真は水中から顔を出して、水面と同じ高さでシャッターをきっているから、同じ高さで空を眺めた時に気持ち良かったのと、水中から見上げている写真の心地よさが似ているように感じてしまったのは、「浮かんでんだな」と言う浮遊感を写真と目の前の景色で感じたからだろうと椅子に座って感じていて

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思わずスマホで写真でも残しておこうと開いたら、SNSの通知でよせばいいのにTwitterをなんとなく開いてしまい、ボーッとしながらタイムラインを眺めていると、少しだけ苦手だった人の近況報告でしばらくぶりに今を知り、なんとなく気持ちがクルクルと回って、その心は世の中では嫉妬と呼ばれるものだと気づくまで対して時間はかからず、なんとなく自分が好きでしていることで、その人の近況に対抗できるものを探そうとしてしまった

それは好きだとか共感だとかいいね!を超えて、ただの自己満足になりかねないので、とてもよくないと思ったので、そっとスマホの電源を切り、歩くことにした

好きな街まで、知らない道で歩いてみよう そうしようと歩いた

竹橋から神保町、九段下から半蔵門に永田町

僕は東京の中心と大人が勝手に決めているかもしれない場所を歩きながら、適当に本を読み、小脇に抱えた写真集をまた開き、歩いた

感情の行き場は、余白があるから生まれるのかと思い、ぎちぎちに何かしらの考えで詰め込みたいと思ったんだけど、むしろ、いらないものを横に飛ばして目の前の出来事に集中してみようと思い、文字を追い、言葉を書き込んで、気持ちを整理した

無心になるべきなのでは委員会が立ち上がり、それはおそらく料理をすることが的確なのではないかと答えが出るまではそう時間はかからず、
ならせっかくなので、ずっと作ろうと思っていたイカのわたのコク鍋を今こそやるべきと感じ、浅草まで銀座線に乗ってみて、適当にスーパーに入り、
3000円けて材料を揃えて、東京都が運営するバスに乗り、家に帰った

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目の前には2杯のスルメイカがあり、その仕込みには少しだけ手間がかかるので、なんか気持ちを脇道にそらしたくなったので、友達に連絡をして、適当なやりとりをしていて
その後に思いつきを紙に書き、忘れないようにして、部屋を片付けた

僕の部屋は主に、レコードと本と、服でできている

本は、インデックスを忘れたくないので、買う
読むのが後回しでも、買う

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だから、本当に必要なものと、資料と、保管するものが大きく分かれる

これは今読んでるやつ

そのお裾分けをしたいがために西日暮里駅に隣接しているBOOK APARTMENTに「サテツマガジン編集室」と言う書棚を出し、セレクトした本を販売しているのだけど、イカを目の前にして、僕はとりあえず本を片付けたくなった

仕事や勉強をする前に、部屋を片付けたりしたくなるのだけど、きっと同じ
対スルメイカ

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思ったよりも自分で忘れていたような名著が積まれていて、流し読みをしたところハマってしまい、鍋はまだできない

一通り、誰かにあげるもの、保管するもの、今使うものに本を分けた後、僕はとうとうイカに手を出した

インターネットの記事で見るよりも、イカはあっけなく鍋の中に入れられて、僕の心理的な障壁を余裕でクリアするくらいあっという間に鍋は完成した

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その時間たった15分もかからなかった

さすがだ みんなが作るレシピには理由がある

と思いながら「僕は難しそうなイカのわたの鍋を作れたんだぞ」とテキストエディタに打ち込んでいたら、遠い誰かへの嫉妬心は消えていた

そんな東京という街は、いろいろな気持ちが行ったり来たりする
自分だけでも10個くらいの感情がたった5、6時間もない中に出てきてしまったのにさらに2000万人もいるなんてさ

まるでこの街は誰かの生活のミックステープみたいだねって友達に話したくなった

その時、僕の好きな人たちは、どんな言葉で目の前に映る景色や、感情を教えてくれるのだろう

とか言いう誰かの気持ちを知りたいzine作ったんだったと思い出して、もう一度入稿データを読み直してみる 落ち着く

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早く出来上がらないかな 後数日か

という夜


新しいzine作るか、旅行行きます。