マンション管理士、管理業務主任者受験者のための会計その3、仕訳(3)
もう一問、過去問を解きましょう。
次も仕訳の問題です。
それぞれの問題を仕訳する
ア:排水管塗装工事一式
発生主義であることを忘れずに!
工事が終了すると支払義務があり、取引状態は「未払金」になる。
そのため、3月の支払は修繕費ではなく、未払金の支払になる。
問題は3月の仕訳です。結果としてNGであることがわかります。
イ:防犯カメラ取替(取付費も含む)
修繕費とは何か?(いやらしい問題ですが)
防犯カメラの取替え工事は、備品等の交換工事となり、「什器備品」が科目になります。
この手の問題は数年に一度程度、出題されます。
工事内容のチェックも忘れずに!
発生主義では、工事終了が仕訳の発生日です。
3月15日の取付け完了日は、交換工事の発生日で、代金は未払になり、3月20日に未払金を口座から支払った取引が記帳されます。
結果としてNGであることがわかります。
ウ:高置水槽清掃
清掃は管理費から支出されますが、科目としては「清掃費」です。
清掃が終了した日は仕訳帳記帳日になります。
支払予定は記帳する必要はありません。
仕訳結果が一致しています。
これが正解になります。
エ:エレベーター改良工事
今回の問題は3月の仕訳です。
将来、発生する取引は記帳の対象ではありません。
と言うことは、3月1日に支払った工事の前金である「前払金」は普通預金から支払われた内容を記帳することになります。
結果としてNGであることがわかります。
仕訳は時間を考える
設問をよく読み取引の時間軸と取引の状態が判れば、仕訳は非常に簡単です。
「発注」と「完了」のどちらで仕訳帳に記載すべき?
取引と言う意味では「発注」が正解のように思えますが、工事の完了で記帳すべきらしいです。
発注だけでは、工事が履行が保障できません。
そのため、工事の完了日で記帳する組合が多いと聞きます。
しかし、「請求書」の発行日で仕訳するケースもあり、管理組合ごと(管理会社)でルールーが違うように感じます。
いずれにしても仕訳は、ルールを覚えれば簡単です。
毎年、出題されます。
確実に加点に結び付けてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?