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#36-塀の建て方の基本

最近のマンションではあまり見ることが無くなりましたが、隣地との境界を塀で仕切るマンションは多くあります。

過去の試験でも塀の問題は過去に一度出題されたことがあります。
*関西で大きな地震があり、登校中の児童が塀の下敷きになり亡くなった事故がきっかけで塀の建築基準法が見直されたと記憶しています。

塀の名称を覚える
建物の基本構造とは名称が異なるため「根入れ」「控え壁」は覚える必要があります。

国土交通省資料より出典

塀の構造

ブロック塀は皆さんも見たことはあるはずです。
ブロック塀でも鉄筋があるブロック塀とないブロック塀では基準がまったく異なります。
現在では、一定の高さ以上のブロック塀には鉄筋を入れることが原則ですが以前は鉄筋をいれずにブロックを重ねた積層ブロック塀が多くありました。
また、石造りやレンガ造りの塀もありました。
これらは組積造と言われます。

根入れや控え壁は塀独特の言い方です。
確実に覚えてください。

組積塀の基準

1、高さは1.2mが上限
2、塀の高さの1/10以上の厚さが必要になる
(例)
高さ1.2mの場合は、120✖1/10=12cmとなり、ブロックの厚さは12㎝以上。
3、塀の長さ4mごとに、厚みの1.5倍の控え壁の設置が必要
*壁の厚さが1.5倍以上ある場合は免除
4、根入れは20㎝以上

鉄筋入りブロック塀の高さは2.2mが上限

建築基準法では高さ2m未満と2m以上で基準が変わりますが、絶対覚えることは壁の高さは2.2m以下と言うことです。
それ以上の高さの鉄筋入りブロック塀は造れません。

2m以上2.2m未満の塀の基準

1、高さは、2.2m以下とすること。
2、壁の厚さは、15cm
3、壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9㎜以上の鉄筋を配置すること。
4、壁内には、径9mm以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で配置すること。
5、長さ3.4m以下ごとに、径9㎜以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの1/5以上突出したものを設けること。
6、基礎丈35㎝、根入れ30cm以上

2m未満の塀の基準

高さ2メートル以下の塀にあっては、10㎝以上とすること。
これ以外は高さに関わらず同じです。

最後に
最近、大きな地震が続いています。
被災地の映像で必ずと言っていいほど、倒れた塀が映し出されます。
トレンドではありませんが、塀の基準ぐらいは覚えておきましょう。

次回は、隣地との位置関係、民法改正の影響などを説明します。



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