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認定制度のパターン1で事前確認の結果を登録する時に添付すべき資料

前回はFJマンション管理士事務所で行ったパターン1による事前確認の際に注意する点をお話しました。

これまでにもお話ししていますが、事前確認は国土交通省の審査要件の確認作業です。
管理計画認定制度は各自治体が行う制度であり、最終的な審査は自治体が行います。
そのため、事前確認に合格を出したマンション管理士は、自治体からの質問等を直接受けることが多々あります。

もちろん、十分に審査を行った上で合格判定を出すわけですから、自治体の担当者からの質問にも当然、答えることができます。

自治体の担当者はマンション管理に不慣れ
しかし、問合せをしてくる担当者は、規約、議案書や議事録、会計資料に詳しい人が多くはありません。
そのため、事前確認の要件を1つ1つ確認することは、かなり難しい作業になります。
そこで、審査を行ったマンション管理士に説明を聞くために問い合わせをするケースが多くなります。

仕方がないことです。
マンション管理の知識がない役所の担当者にしてみれば、初めての経験になることも多いでしょう。
分かりやすく説明することも審査を行ったマンション管理士の役目です。

エビデンス表を添付する
前回の「事前確認の際に注意する点」でも記述しましたが、審査は慎重に行う必要があります。
(いい加減な審査は後に、資格の停止につながります)
審査する側も見落としがないように最大限注意すべきです。
とは、ミスは起こるものと考え、ミスの発生を限りなく低くするために必要なことがエビデンス表です。
事前確認は要件の確認作業です。
要件は何によって確認したかを表にまとめ、誰が見ても要件を満たしていることが確認できる表があれば、ミスを押さえることができます。

要件の証明となる資料、判定のコメントを記載した資料になります。
アップした資料は、当事務所で実際に使用している事前確認のエビデンス表です。

これを申請資料と一緒にアップすれば、自治体の担当者もひとつひとつ確認することが出来ます。
特に修繕積立金の滞納率や平均額の算出については、どの資料のどの値を用いて計算をした結果であるかを載せることで、自治体の審査する側も判りやすくなります。

これ以外にも長期修繕計画書に記載される設備等のチェックも重要です。
国土交通省が認定の要件としている19工事の記載の有無と修繕周期、金額に妥当性があることをエビデンスとして示す必要があります。

何といっても事前確認の事務ガイドラインには次のような記載があります。
事務ガイドラインより
【確認方法】 ・本項目は、長期修繕計画を「長期修繕計画作成ガイドライン」の長期修繕計画標準様式と 同一の様式で作成していることを求めるものではなく、長期修繕計画標準様式において示している考え方に基づいて長期修繕計画を作成していれば、長期修繕計画標準様式に準拠していると考えられる。
具体的には、少なくとも、以下の①から⑩の内容が全て盛り込まれている必要があると考えられる。
①修繕工事の内容(19 工事項目※)
※長期修繕様式第4-1号の推定修繕工事項目の19工事項目(以下「19工事項 目」という)のこと

②修繕工事の概算費用
③修繕工事のおおよその実施時期
④修繕積立金の月当たり㎡単価
⑤長期修繕計画書の計画期間が30年以上の設定期間であること
⑥申請日以降の残存期間において大規模修繕工事が2回以上含むこと
⑦計画期間当初における修繕積立金の残高
⑧計画期間全体で集める修繕積立金の総額
⑨計画期間全体における専用使用料等からの繰入額の総額
⑩(借入れがある場合)借入れの状況

19項目の工事が記載されていない長期修繕計画書はそれだけで認定要件に不適合になります。
ただし、オール電化でガス管設備が館内にない、平置き駐車場だけで機械駐車場がないなどの項目の記載に正当な理由がある場合に限り、特記事項等の記載で認められるため、審査する時は慎重さが必要になります。

これ以外にも、事前確認の審査は慎重に行う必要があります。
その上で、自治体が最終的な審査をする際に、エビデンスが確認できることで円滑な認定の取得が出来、自治体の担当者の負荷を軽減、さらには審査を担当したマンション管理士への質問や問合せを少なくすることができます。

事前確認をこれから行うマンション管理士の方は、是非、オリジナルのエビデンス表を作成して業務を進めることをお勧めします。


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