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マン管、管理業務主任者、宅建士の試験のための不動産登記法

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マン管、管理業務主任者、宅建士の試験に必要な不動産登記法をまとめました。
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2023年4月の記事一覧

登22-令和2年度、過去問(登記法)

問題文は長いですが抵当権設定の基本を問う問題です。 設問1の解説この問題のポイントは「従物」とは何かを知っているかどうかです。 民法では主物(マンション専有部分)に附属せしめられた物のことを「従物」という(民法第87条第1項)。 取り付けられたエアコン、造棚、トイレ、バス、キッチンは従物である。 判例に現れた従物の例としては、建物に対する畳・建具、宅地に対する石灯籠・取り外し可能な庭石などがあります。 これを知っていれば、抵当権は従物にも権利はおよぶため、当然に抵当権の

登21-平成30年度、過去問(登記法)

それでは各設問を解説します。 設問1の解説区分所有物件の登記は解説済みです。 忘れてませんか? 区分所有物件の一棟の建物表題部には各部屋と敷地権の目的を記した表題部がセットで記載されます。 と言う訳でこの設問は✖です。 設問2の解説共用部分に法定共用部分と規約共用部分があり、法定共用部分は建築物として当然に存在する構造体です。 これを登記登録することはありません。 と言う訳でこの設問は〇です。 設問3の解説規約共用部分は原始規約で定めることも出来ますが、管理組合が

登-20 区分所有物件の登記表を覚える(3)

2回にわたって登記表の見方を説明しました。 今回のテーマは権利部(甲)と(乙)です。 復習 分譲マンションの一棟の建物表題部の登記はデベロッパーが行うことは理解しましたね。 この時、土地の権利に関する表題部も同時に登記されます。 この登記が終わると建物表題部に登録された専有部分の表題部と敷地権の表題部が登記官によって作成されます。 これまでが前回までの説明内容です。 専有部分と一体化している権利部 権利部(甲区)と権利部(乙区)は専有部分の表題部の下に記載されているこ

登-19 区分所有物件の登記表を覚える(2)

登-18では、マンションの躯体の表題部の登記項目について説明しました。 今回は、専有部分の登記項目について説明します。 登記と建物建設の時系列関係皆さんが登記が苦手な理由として分譲マンションが完成するまでの登記の流れを理解していないことが理由にひとつにあります。 建物の建設と登記の時系列(建築確認も加えます) 1、土地の取得(土地の登記の所有権移転登録) 2、建築確認申請、許可 3、躯体の建設開始 4、原始規約の公正証書 5、建物の屋根の完成(建物の表題部登録) 6、各