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闘う日記



心のバランスが崩れて仕事を辞めた。

辞めてから、1ヶ月くらい経った。

崩れた心積み木の積み上げ方がわからない。前の自分が思い出せないのだ。

憂鬱で死んでしまいたい、と思うことはないのだが、悲しくもないし特段楽しくもない。少し、眠りが浅い。一番厄介なのは、何も手につかないこと。やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、何もできずにただボーッとしかできない。

病名で呼ぶと追い詰められた気分になるので、私はこの状態を「凪」と呼ぶことにした。


凪は人が嫌いになる。

元々好きじゃなかったけど、人前とか超嫌だし、極力話なんかしたくない。気の利いたことも言わなくなったし、愛想笑いもしなくなった。というか話したいことがなくなってしまったというか、何を話したらいいかわからなくなってしまった。今までどうしてたんだっけ。そう思う回数が増えた。


凪はお尻に吸盤ができる。

一度座ったらそこから全く動けない。家事なんか全くできなくなってしまった。幸い実家にいることができているので家族には迷惑しかかけていない。迷惑だ、とわかってても動けない。


凪は私から好きなものを奪っていく。

大好きだった音楽も映画も、思うように触れられない。ドライブも…時世的に褒められたことではないし、と近所のスーパーくらいしか行かなくなってしまった。

今日は天気が良く、朝から起きることができたのでちょっと遠くの公園に来た。運動不足を解消する為に少し散歩でもしようか、と車を停めたはいいが、親子連れを見て逃げた。結局車から降りてない。でも早秋の風を浴びたかったので第一関門はクリアした。はずだ。


凪はお腹が空かない。

スタミナ!的な食べ物がつらい。つーか白米食べるってこんなに大変なことだったんだな、と最近しみじみ思う。特にお腹が悪いとかじゃないのに、ぐずぐずのご飯を、多ければ日に2回食べている。なのに太ってる。意味がわからない。


凪は眠りたくない。

元々寝付きが悪い方だと思ってた。それは家族から「なんかの病気なんじゃない?」とずっと言われてきたのだが、凪になって顕著に眠れなくなった。そわそわそわそわ、何故か綱渡りをしているみたいな気分になる。とても眠いのに、眠りにはつけない。なので昼に気絶したように2時間くらい寝ている。つまり、24時間ずっととりあえず眠いのだ。




凪。今まで無視してごめん。ずっと訴えてきてくれてたはずなのに、こんな風にならないと気が付かなかった私を許してほしい。

君は私の人生をどうしたい?

ずっと傍にいる?

それともいつかいなくなる?


わからないけど、いつか風が吹いて、私が船に乗ることができたら、見送ってくれるかな。

その時は、小さな凪も見逃さない。

君を忘れないよ。







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