元エミレーツ航空CA、印象的だったお客様は？《エアライン就活相談室》
こんにちは。元エミレーツクルーのリサです✈🇦🇪
※この「元エミレーツクルー《エアライン就活相談室》」は、エミレーツ航空のキャビンクルーを目指されている方の不安やお悩みを解消したい、私の経験がなにかお役に立てれば、との思いから、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対し、私が真剣に答えていきます。
質問の投稿は、こちらからお願いします。
今回いただいた質問は、下記のようなものです。
いますよー！たくさんいます。良くも悪くも！んーどのお話にしようか迷ってしまうくらいなのですが、今日はいいお話を。笑
めちゃくちゃ忙しい満席 ＋ 短時間フライト、エコノミークラスのお食事サービスにて。よくある「ビーフ or チキン？」「洋食 or 和食？」のようなミールチョイスをお客様に1人ずつ聞いてからお食事をお渡しするのですが、あるフライトでは、必ず片方のミールチョイスだけがなくなってしまうことがありました。
会社側も人気のミールチョイスを把握したうえで調整して機内に搭載しているそうなのですが、それでもやっぱり人気メニューはすぐになくなってしまうのです。
クルーを経験されたことがある方だと共感していただけると思うのですが、ミールチョイスがなくなってしまい“不人気”の方のミールしか残っていない時に、お客様にお断りするのってこちらとしても結構心苦しいもの。
それにお客様によっては明らかに嫌な顔をされたり、ご立腹になったり、「ミールチョイスがないなんてありえない。上のものを呼べ」など大クレームに繋がることも多いです。機内でのお食事を楽しみにされている気持ちももちろん理解できるので、こちらとしても複雑です。
ミールチョイスについて“こだわりのある”お客様が多く、クレームが多発することでも有名なドバイ発のとあるフライト（あえて国名は伏せます笑）での出来事。
この日のフライトも、機体の後方に進むにつれてミールチョイスがもうなくなってしまい“不人気”メニューのみが残っている状態。私はお客様に断り続けお詫びしながら、そして結構ひどめな罵声を浴びせられながらサービスを進めていました。
とある席に座っておられたマダムに声をかけ「ミールのチョイスがもうない」と説明をしようとした瞬間。そのマダムが「私にはカートにある（残っている）ミールをお願い。ミールのチョイスがなくても全く構わないわ」と笑顔で目を見て言ってくれました。
続けて「あなたがサービスしているのを私はここからずっと見ていたけれど、ずっと笑顔でどんなお客様にもきちんと丁寧に対応していて素晴らしかったわ。1人1人の要求に応えなきゃいけないなんてほんとうに大変なお仕事よね。そんな小さな身体でそんな大きなミールカートをひいてよく頑張ってるわ」。
あーーもうこんなことを言われてしまったら、もう泣きそうになります…。マダムに惚れてまうやろ！胸に矢が刺さったように、もういちころです。目がウルウルしてしまうのを自分でも感じました。
もう全ての疲れがもう吹っ飛びます。
自分が笑顔にするどころか、笑顔をくれたマダム。後で聞くと、そのマダムは北米からの乗り継ぎでエミレーツ航空を利用しそのフライトに乗っておられたそうで、目的地へは出張だったそう。1人で乗っておられたのですが、フライト中もずっと姿勢を正して静かに読書をしておられ、目が合うとニコッと微笑んでくださり、立ち居振る舞いも心も美しく素敵な女性でした。
私がお客様として飛行機に乗って同じことができるか？いや…お恥ずかしながら今でもできていないように感じます。（このお話を書きながら反省です…）
お仕事なので感情的にはならないよう日頃から努めていましたが、やっぱりこちらも人間。嬉しいことは素直に受け止めて感激してしまいます。
今でも忘れないお客様との出会いでした。
✈︎
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