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ひとつ上の字書きになる~縦書き小説の見栄えを良くする七つのルール

こんばんは、翔夜です。今日も元気に原稿してますか?
便利な電子機器・ソフトの登場、そして親切で安価な印刷所様の増加――近年、小説同人誌を発行するハードルはどんどん下がっています。
ですが、小説の書き方など学校で習うこともなく、我流も我流。なんとなく書いてはいるけれど、体裁が整っていないのではないかと不安になることもしばしば……。
そんなあなたのために、縦書き小説を書く際のルールのようなものを簡単にまとめてみました。

以下でご紹介しているルールは、手元にある多くの小説の文庫本を分析した結果です。まずお断りしておきたいのは、これは出版業界におけるルールであり、日本語を書く上で必ず守らなければならないルールというわけではありません。日本語は柔軟なものですし、同人小説は極めて自由です。必ずしもルールに囚われることなく、自由な表現を優先してください。

【参考書籍】
「日本語表記ルールブック 第2版」(2012年、日本エディタースクール)
「文字の組方ルールブック タテ組編」(2001年、日本エディタースクール)

(1)等幅フォントを使う

等幅フォント

文字には二種類あります。文字の幅が一定の等幅フォントと、文字によって幅が異なるプロポーショナルフォントです。
小説は原稿用紙で書かれてきた文化があるためか、「等幅フォント」で印刷されるケースがほとんどです。等幅フォントで書かれた文章は、一行あたりの文字数が一定であり、文字が原稿用紙のように整然と並んで美しく見えます。ルビや長い英数字などの変則的な表記が無い限り、ひとつ文字の横には必ず綺麗にひとつの文字が並んでいます。

【フォントの余談】
個人的には、「源暎ちくご明朝」などのオールドスタイルの明朝体を使うと、レトロで格調高そうな同人小説ができあがるので好きです。ちなみに、私の小説本は全て「イワタ明朝体オールド」を使用しています。

(2)記号や英字は全角にする

カッコ「」()や中黒(・)、句読点などの記号はすべて全角で表記します。そうすることで、記号混じりの文章でも原稿用紙のようにマス目が整った字組ができあがります。

英字

略語等の英字も基本的には全角(縦書き)で表記します。ただし、英単語や英文などは、横書きで寝かせて表記することがあります。

(3)数字は漢数字を基本とする

漢数字

基本的には、縦書き小説の場合は漢数字を使います。千、百、十などの区切り数字を用いるかどうかは自由です。ただし、年号は「一九八四年」などと区切り文字を使わずに、数字を並べて表記するのが通例です。

(4)三点リーダーとダッシュは2個セットで使う

三点リーダーと二倍ダーシ――それは2の倍数の個数で使用するものだ。
「たとえ、リーダーが長くなっても…………それは変わらない」

基本的に、三点リーダー「……」とダッシュ(全角ダーシ)「――」は2個セットで使います。ですが、喘ぎ声といった特殊な台詞でも2の倍数を遵守するかどうかは好みによりますので、自由にしてください。

余談ですが、リーダーやダーシは行を跨がない(…と…の間で改行しない)のが正式です。そのため、前後の文章を調整して行跨ぎが発生しないようにするとよりプロフェッショナル感が出ます。

(5)感嘆符と疑問符の後には全角スペースを入れる

「感嘆符や疑問符の後には全角スペースを入れます! しかし、カッコ内の最後の文章である場合には、スペースを省略します!」

基本的に、句読点代わりの感嘆符(!)と疑問符(?)の後には、全角スペースを挿入します。これは台詞中だけでなく、地の文においても同様です。なお、台詞の最後が感嘆符ないし疑問符で終わる場合には、全角スペースを入れる必要はありません。そのまま閉じ括弧を入れてください。

(6)「!!」と「!?」と2桁の算数字は縦中横で表記する

縦中横

次は、縦中横(たてちゅうよこ)の使い方について学びましょう。縦中横とは、縦書きの字組において、部分的に横書きで表記するものです。

「!!」や「!?」などの「ダブルだれ」は基本的に縦中横で記述します。もはやルールというよりはやや趣味の領域(好みの問題)に近づいてきていますが、お手元の文庫小説本をご覧になると、大抵はそのようになっていることがお分かりいただけると思います。
ただし、Microsoft Wordは縦中横関連のエラーが非常に出やすいので、縦中横の代わりに特殊記号「‼」「⁉」を使って回避するなどしていました。

また、二桁の算数字を使う場合も、縦中横を用いるのが基本です。三桁以上の場合は、英字の場合と同様に全角文字を並べてもよいですし、横向きに寝かせて表記するのもよいでしょう。

(7)カッコの使い方

もうネタがなくなってきましたが、6つのルールというのはキリが悪いので、最後に「カッコの使い方」のコラムを添えて無理矢理7つのルールにしたいと思います。

「カッコ内の途中の句点(。)はそのまま打ちます。しかし、最後の文章の句点は省略します」

基本的に、「(前略)省略します。」とは表記しません。

「誰かに別の人物の台詞を引用させるなど、カッコ内の文章でカッコを使用したくなった場合は、『二重カッコ』を使用します」

これが正式な『二重カッコ』の使用方法です。また、書名や雑誌名を記述する場合にも利用されます。

“クォーテーションマーク”は、主に横書きで使用します。縦書きの場合は、〝ダブルミニュート(ちょんちょん)〟を使用する場合が多いです。

これもお手元の小説文庫本をご覧いただくと分かりやすいかもしれません。結構レアな記号なので、なかなか出会えないかもしれませんが……。

* * *

重ねて申し上げますが、以上のルールは手元の小説文庫本を分析した結果得られた内容であり、これに沿って書かれていないからといって「誤り」ではありません。あくまで「出版されている小説らしさ」を目指したい、フェティシズムをお持ちの方のための参考記事です。
これに加えて、フォントサイズや行間、余白などを調整することで、よりそれらしい小説同人誌ができあがります(それはまた別の機会に……)。

それでは、今回はこのへんで。良き同人ライフを!


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