150万は安い?高い??弱者の思考と境遇に無理解な社会

「まともな金利がある世界」になる前に、
「投資は当たり前な世界」がやってきた。

投資を勉強しようとする度に、
思い出す出来事がある。


2020年、150万円の投資詐欺に遭った
女性(22歳)が自殺した。

失った150万は決して少額ではないが、
彼女の年齢を考慮すれば、
絶望するほどの金額だったのか、

と問う報道と、世間の見解だ。


◼️150万という額

150万円とは、
稼げない額ではない。

理屈としてなら、よく分かる。

私には社会人経験があり、
150万という金額を稼ぐための、
具体的な時間や労力が、
何となく想像できるからだ。

それでも、
150万を稼ぐ難易度は、

職業により、
環境により、
能力により、

幅広い個人差がある。


◼️時代による格差

社会のどこかには(金になる)仕事があり、
とりあえず体を動かせば、
動いた分だけ(まとまった)金になる。

そんなバブルの時代であれば、
おそらく彼女は死ななかっただろう。

有益な能力を
効率よく取得することが求められる上、
コスパが少しでも悪ければ、
また、一度でも選択を間違えれば、
圧倒的なまでに不利になる。
そして、そのすべてが自己責任だ。

今は、そんな時代なのである。

しかも、
能力不足や不運な弱者への
共感や理解、援助は少ない。
あるのは叱咤か嘲笑か、
良くても励ましの言葉だけだ。

だから、彼女は自殺した。
そんな社会だからこそ、
生きていく希望を見出だせなかった、
…のではないか。


◼️格差による絶望

彼女は、奨学金という負債を抱えていた。

社会人としてのスタートが
ただでさえマイナスだったというのに、
更なる負債(150万円)を抱え込んだのだ。

世間一般(強者)は、
これを「絶望」とは見なさないらしい。

きっと、
奨学金は元々ないか、もしくは、
その返済の目処はついており、
150万円くらいなら余裕で稼げて、
人生を再トライする環境が整っており、
能力や運も十分にあるからだ(ろう)。

まだ十分若いんだし、
投資で150万円失っても、
それ以上の額(すぐ)稼げるよ。


そう言って、
彼女の絶望を理解できない
強者思想に満ち溢れた社会に、
(まだ死ぬほどではないが)
私も絶望している。


◼️リスクを強いる世界

投資にはリスクが伴い、
それは完全なる自己責任だ。

そのリスクを避け、
投資をしないという選択をした結果、
将来の経済的なリスクを負う。
それも自己責任だ。

人生は、リスクに満ちている。

No risk, no life

いつでも、自分が好きなタイミングで、
(コードレス)バンジーがし放題だ。

何て、スリリングな世界なのだろう!




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