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その夢はサンタに届かない #毎週ショートショートnote

クリスマスイブのその日、私は妻と一緒に街外れにある大きなショッピングモールに来ていた。

そこかしこにクリスマスの装飾が施され、キラキラと綺麗で照明も人々も賑やかだ。

建物に入ってすぐ、やや小ぶりなクリスマスツリーが置かれている。飾りも普通だが何か違和感を感じると思ったら、たくさんの短冊が飾られているではないか。

妻に聞くと「毎年恒例だよ」とのこと。「ここに願い書いてもサンタには届かないし、織姫と彦星は冬眠中なのにね」と私が言うと、「大丈夫、書く時は親と一緒にってルールがあるから」と妻。なるほど、クリスマスのルールは無視しつつ、サンタ(親)には確認させるルールは設けているようだ。

「それにね」と妻が続ける。「短冊飾ると店内全品10%OFFのクーポンがもらえるの」だって。
要するに、ショッピングモールの販促らしい。
「でもさ、この「背が高くなりたい」とかどうするんだろ」と私が言い、2人で笑う。

ルールはちゃんと守らないとね。


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