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自宅待機中、身体の中に海を、心に花を、ブルターニュの華、ゲランドの塩。

 いやね、おフランスなら何でも好きとかフランスから来たものはかっこいいとか、そんなことはぼくにはない。フランス料理させてもらって生活を立てている自分ですが、今は休業中。自由なのだ、自分の料理を作るのだ。

 soho のプロヴァンス・レストラン、ニューポートビーチのパスカル・レストランでみっちりフランス流を仕込まれた料理の世界、フランスはええとこや完璧やフランス人さえ居らんかったら、などというのもばっちり実感しました。

 ゲランドの塩です。ブルターニュ海岸、ゲランドで作られる天日干しの塩です、塩キャラメル発祥のオリジナルです。大西洋の冷たい潮と強くはない陽射しを受けてゆっくりと時間をかけて塩田で作られる塩です。太陽の陽射しだけで作られる天日干しの塩はぼくらが手に入るものとしてはここだけになってしまいました。

 日本にはごく僅かの小規模生産を続けられるかたもいらっしゃるようですが、なかなか手に入りません。海水を燃料で煮詰めるということを止めれば、重労働と数ヶ月かそれ以上の時間が必要ですし、何より汚染のないきれいな海水が必要です。残されたぼくらの海は今は少ないです。

 手仕事で作り上げる塩田の塩はゲランド塩製造協同組合の人たちの汗の結晶でもあります。マスプロダクトのラインに乗せないので生産者の生活は金銭的にはきついようです。そこでフェア・トレードの出番です。生産者を護り塩の生産も護ってもらうため現地の人への適正価格で取引をします。

頭悪いぼくはフェア・トレードの説明とか考え方の説明はできませんが、ゲランドの塩は旨いです。美味しいです。


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 名前忘れた何とか鯛の香草ゲランドの塩釜焼き、中の骨はすべて抜いてあり農場の隅で作ってもらった香草とマッシュルームのリダクションを挟んで焼いてある。食べる時に皮をすっっと外す、歓声があがる。青いトマトのグリルの酸味が、白い身の味覚を彩なすのだ。なんちゃって。ええ皿やった、ええレストランやったなああ。

 ゲランドの塩の一番収穫はセルドフルール、塩の花と言います、美しい。あとの塩田に積み上げた塩はやはり結晶です、こちらは菫色をしています。

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海水濃度にしたゲランドの塩、ブルターニュの海が目のまえに。Kenzoさんもソニア・リキエルもニューヨークの店では味わってもらった。

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 ゲランドの海水を水道の水と見比べると、ちゃうなあ、海水はちゃうなあ。ゲランドの塩は海水そのものなので海が綺麗でないと生産できません。どうしても資本の大きな動きに対抗して自然と生活を護る市民の意識と支援が必要です。それはゲランドの塩だけではないですが。

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 水道の水の5パーセントの塩を足して煮沸し、冷ましたところに根菜浸けると1週間でピクルスになります、ザワークラウトも同じやり方でできます。フランス海岸からドイツへの旅が始まります                
友たちから貰った島レモンはゲランドと出会いどんな旅になるのか、自宅待機中、手には花を心には海を、なのです。

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Alter trade Japan


ゲランドの塩以外にも、マスコバド糖、パレスチナのオリーブオイルなど良いものが手に入ります。

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