見出し画像

中外医学社 西嶋佑太郎先生著「医学用語の考え方、使い方」を読んで

今回、ご縁がありまして、こちらの本を読み機会をいただけましたので、私なりの感想を書きたいと思います。

まず、本当に「日本語は難しい!!」。ひらがな、漢字、カタカナを交えた文字の日本語。もちろん、言葉で話せば特に難しくないのに、表記すると難しくなる。そしてなにより、医学用語って「わざと難しく読んでるんじゃないの?」なんて言葉がたくさんありますよね。そしてなにより厄介なのが、普通の国語辞典で調べても出てこない読み方があるんですよね。
この本にも書かれていますが「口腔」の腔という言葉。普通は「くう」とは読まないんですよね。ただ、口腔外科、腹腔など、医療の世界では当たり前のように「くう」と読んでます。

医療の世界で仕事をしていると、最初は「ん?これなんて読むの?というか、なんていう意味?」という言葉と出会うことがあります。そして最近は電子カルテの導入により、漢字変換に医学用語辞典を入れると本来読まない言葉も変換出来てしまう。本来はわかりやすくやさしい言葉にすることが求められる時代に、簡単に難しく書きにくい言葉に変換してしまうんです。

この本には、本当に漢字の深さ、難しさがたくさん書かれています。「令和」の「令」もたくさんの書き方があり、どれも正解。手書きにすると、たくさんの書き方があるその曖昧さが出てくることが冒頭に書かれてるのですが、なるほど、たしかにと思いました。正解が人によって違うんですよね。

電子カルテで様々な医療用語を入力しますが、この本を読んだあと、ちょっと自分の記録が正しいか、見直してしまいました(笑)
記録の書き方とかではなく、日本語を考えたいときに読む、おもしろい方向の本だなと思いました。ちょっといままでになかったような、おもしろい切り込み方の本でした。

この記事が参加している募集

読書感想文

もしもサポートしていただけるなら、本当に嬉しいです。