見出し画像

資金難で創業の事業からピボットを決断。得意な事業に注力しV字回復。今後は、主力事業の拡張でアジア展開も狙う。

こんにちは!株式会社シーラベル広報担当です。

シーラベルの公式note、初回は代表の渡辺のインタビューです。シーラベルを創業するまでの経緯や、創業してからの紆余曲折とビジネスモデルの転換、そして海外展開を含めた今後のビジョンについて聞きました。

【プロフィール】
株式会社シーラベル
代表取締役 渡辺 敬吾

1985年静岡県生まれ、埼玉育ち。埼玉県立大宮高校を卒業後、早稲田大学理工学部を卒業。東京大学大学院で海洋微生物学を研究。2012年株式会社ワークスアプリケーションズに入社し、大手企業向けの営業に携わる。ランサーズ株式会社にて30を超える企業のマーケティングを支援。その後、パネイル株式会社にて東京電力とのJVの立ち上げに携わり、1年で新規顧客22万獲得。2019年10月株式会社シーラベルを創業。

「いつか起業したい」自分に足りない部分を埋めるため、多業種でスキルを磨く

――まずは、渡辺さんがシーラベルを創業するまでの経緯を教えてください。

渡辺敬吾(以下、渡辺):私は大学院を卒業後、ERPパッケージの開発・販売を展開する株式会社ワークスアプリケーションズに入社しました。そこでは大手企業向けの営業を担当。導入前の要件定義や、商品紹介のデモンストレーションなどをやっていました。営業が200名くらいいたんですが、周りは話すのが上手く営業が得意な人ばかりで、正直「勝てない」と思いましたね…。

ただ、当時は新人ながら役員向けのプレゼンを任されたり、大規模なイベントでのデモンストレーションを担当したりと、今振り返ってみても、成長機会の多い素晴らしい会社でした。3年ほど経験を積んで実務はこなせるようになったんですが「ここで、営業のスペシャリストになる」という将来のイメージはまったく湧きませんでした。

大学時代から「いつか起業したい」と思っていた事もあり、スキルを磨くためにWEBベンチャーへの転職を決意。そこで出会ったのが、ランサーズでした。

株式会社シーラベル代表取締役渡辺敬吾

――ランサーズでの経験について教えてください。

渡辺:当時ランサーズは社員が40名くらいの規模でした。入社当初は、コンテンツマーケティングのニーズのある企業への営業をしていました。

そのうち、営業活動だけでなく、記事などのWEBコンテンツ制作のディレクションも担当するようになりました。そこで「自分には、営業よりもディレクションの方が向いているかも」と感じるようになりました。当時はキュレーションメディアが盛んでSEO記事の大量制作ニーズが高く、ひたすら記事制作の進行管理をしてましたね(笑)

ランサーズに在籍していた最後の半年は、デジタルマーケティング事業の強化のために作られた「QUANT」という会社で、営業、ディレクション、デジタルマーケティング設計など、営業から納品までの一連の業務を担当しました。ナショナルクライアントに向け、デジタルを活用したマーケティング支援を提案し、例えば渋谷ヒカリエのプロモーションビデオ制作など、広告代理店が担当するようなコンテンツにも携わりました。

▶︎hikarie train default(動画)

ランサーズには3年間在籍しましたが、その中でチームリーダーやマネージャーなど、管理職も経験させてもらいました。

――営業、ディレクション、マーケティング設計、そして管理職…3年間で多くの経験を積まれたんですね!そこで、起業を決意されたんでしょうか?

渡辺:まだです。確かに、ランサーズの経験で「自分で会社をやりたい」という想いは強くなりました。ただ、「ある程度のスキルは身についたけど、自分に足りない部分は何だろう?足りない部分を、埋める活動をしなければ。」と考えるようになったんです。周りからは「青い鳥症候群」とか言われましたけど…(笑)

それで「ベンチャーで成長できる」「起業に向けた活動ができる」ことを重視して、当時は「次期ユニコーン企業」とも言われた電力ベンチャー 株式会社パネイルに入社しました。最初は事業開発の仕事をしていましたが、その後、東京電力(東京電力エナジーパートナー株式会社)とのジョイントベンチャー、株式会社PinTの立ち上げメンバーになりました。新規事業なので、それに伴って必要なこと、例えばWebサイトを用意したり、新規のクライアント獲得のための企業アライアンスの基盤を作ったりしました。マーケティングも担当し、1年間で22万の新規顧客を獲得できた時は、嬉しかったです。

パネイルに2年半勤めた後、友人から誘われてマーケティング支援会社の株式会社abcomapnyの取締役を3ヶ月務めました。ただ、既に副業で企業のマーケティング支援もしており、そろそろ起業を…と考えていたこともあり、シーラベルを創業しました。それが2019年10月のことです。

株式会社シーラベル代表取締役渡辺敬吾

BtoBリード提供メディアで起業も、資金繰り難に 事業の柱を増やし黒字転換へ

――創業された当時は、どのような事業を展開されていたのでしょう?

渡辺:それまで企業のコンテンツマーケティング支援を多数経験してきたこともあり、メディア事業でキャッシュポイントが明確なサービスをしたいと考えていました。また、世の中にない新しいサービスをつくりたい、という気持ちもありました。

そのうち、BtoBの営業・マーケティングツールとして鉄板の顧客事例(導入事例)を活用するメディアを立ち上げるのはどうだろうと考えるようになり、「成功事例のプラットフォーム」を思いつきました。

創業は一人でしたが、前職で一緒に働いていたエンジニアに、最初は業務委託で、その後CTOとしてジョインしてもらいました。
リードを提供する仕組みの開発や、掲載する企業への営業、メディアの集客など、やることは山積みでした。それでも、掲載自体は無料であることや、事例に特化したメディアが珍しかったので、営業するとすぐに掲載企業を50社集めることができました。そして2020年4月、DXの成功企業の事例や、業界のDX事例を検索できる「DX事例プラットフォーム『シーラベル』」をリリースしました。

DX事例プラットフォーム「シーラベル」

ちなみに「シーラベル」というサービス名(社名)は、「調べる」と「C(Customer)をラベルする」というような意味で名づけました。

▶︎DX事例プラットフォーム「シーラベル」

――シーラベルを創業されて丸4年になりますが、一番苦労した事は何でしたか?

渡辺:創業当時の資金繰りと創業時から一緒にやっていたCTOの離職です。
シーラベルのメディア運営は、すべて自社開発なので費用がかかりました。メディアへの集客のためにSEOコンテンツをアップしているんですが、良質なものを作るために結構投資しました。そのため創業から2年くらいは、「毎月赤字」でした(笑)

より投資を加速させるべく、ベンチャーキャピタルを40社回るなど出資を集めることに苦労しました。当時は収益の根幹となる事業が無く、現状を改善した方が良いのか、新たな事業をスタートすべきなのか迷いました。何をするのにもお金がかかるので、一時は八方塞がりで辛い時期もありました。

創業1年が過ぎたくらいの時期は、気持ち的にも停滞感がありました。創業時から一緒だったCTOも離職することが決まりました。そして2021年の1月、創業時と同じく1人の会社に戻りました。

――どのような経緯で、現在のビジネスモデルに変化したのでしょうか?

渡辺:実は、創業時から細々とではあるのですが、企業のマーケティング支援をしていました。まずは、できることを頑張ろうと企業のマーケティング支援事業を強化することにしました。

ターゲット顧客をBtoB企業に特化させ、事業内容も顧客企業にとっての価値を言語化することにこだわりました。
それが、現在柱となっている「BtoBセールスマーケティング支援」事業です。クライアント企業の社外CMO(マーケティング責任者)となって、「売上拡大」にコミットしたセールスマーケティング支援をするというものです。

株式会社シーラベル BtoBセールスマーケティング支援

▶︎BtoBセールスマーケティング支援

幸いなことに、マーケティング支援事業は伸びていきました。
シーラベルは、2020年度(21年9月決算)まで赤字でしたが、2021年度から黒字に転換しました。そして、2022年度(今年度)も順調に成長しています。メンバーも9名まで増えました。

――ちなみに、渡辺さんが仕事で「やりがい」を感じるのはどんな時ですか?

渡辺:ビジネス展開について考えていて、「こういう事業は、まだ他社はやっていないんじゃないか」とか「この辺りにニーズがあるのでは」と考えている時間が、一番面白いですね!

例えば、お客様の新規事業立ち上げ支援の時、ITサービスを開発する話が出たら、それも受託しようとか。そうなるとリソースが必要になるので、アジアのどこかに拠点を作って開発しようとか…。もちろん、すべて上手くはいかないと思いますが、制約を乗り越えたらこんな事ができそう!と考えている瞬間が、一番ワクワクします。いつも、何か考えている気がします。それが、自分の中での「やりがい」なのかなと思います。

株式会社シーラベル代表取締役渡辺敬吾

第2、第3の事業の柱を育成 今後は、新規事業の立ち上げやアジア展開も視野

――最後に、シーラベルの今後のビジョンを教えてください。

渡辺:現在のシーラベルの事業は大きく2つあります。1つ目がシーラベルメディア事業をはじめとした「DX推進事業」、2つ目が「BtoBセールスマーケティング支援事業」です。
シーラベルは創業から4年が経とうとしていますが、主力サービスは、今後も「BtoBセールスマーケティング支援」です。ただ、第2、第3の柱となるような事業も展開していきたいと考えています。直近で言えば、ITツール選定のコンシェルジュ事業「DXの窓口」を強化しています。

シーラベルの事業内容

これまでの知見を活かした新規事業の立ち上げも必要だろうと考えていて、マーケティングツールの開発も進めていこうとしています。ChatGPTをはじめとした生成AIをマーケティングの効率的な運用につなげていけるようなサービスの展開を考えています。

優秀なエンジニアが居るベトナムに開発拠点を持つことも検討しています。
BtoBセールスマーケティング支援事業は、東南アジア地域を中心としてグローバルに展開していきたいです。まずは日本企業の海外展開の支援で実績を作り、ゆくゆくは現地ローカル企業の支援を進めていこうと考えております。

――組織については、いかがでしょうか?

渡辺:現在は私を含めて9名と少人数なので、情報共有もうまくいっていますが、これからもっと拡大していく構想です。そうなると、経営理念やビジョンが大切になるだろうと思っています。シーラベルとしてやるべきことをしっかり言語化し、仲間と一緒に同じ方向を目指して進んでいきたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?