『採用=恋愛』論はいつから言われ始めたのか
人事という世界に足を踏み入れてから10年以上の月日が経過しました。
人事の世界に生きていれば、一度は聞いたことがあるでしょう『採用=恋愛』論。かく言う筆者も結構前からこの理論を提唱している内の1人です。履歴書や職務経歴書のことを「ラブレター」と呼んでいる程度ですが・・・笑
しかしながら、いつ誰が言い始めた理論なのかはよくわかりません。(理論と呼べるような代物ではないのですが・・・)ふと気になったので、勝手に調べてみました。
『採用=恋愛』論とは
「採用」とは、企業が必要な人員を採用することです。中途採用であろうが新卒採用であろうが、基本的には一緒です。
人事管理においてはまさに入り口と言えるもので、各社工夫をこらして自社にフィットする(であろう)人材を獲得できるように切磋琢磨しています。
採用のプロセスは、
●要件定義(ペルソナ設定)
●母集団形成
●選抜
●惹きつけ
●オファーの受諾
という感じです。それぞれのプロセスで様々なテクニックが求められますが、その辺は別の記事で。
で、問題の『採用=恋愛』論とはどういうものか。
採用は企業と求職者をマッチングすること。そして、恋愛は人と人がマッチングすること。その多くの過程において、大なり小なり重なる部分があります。
採用も恋愛も「いいな」と思うどうしでマッチングするのが一番。そのためには、相手に「いいな」と思ってもらう必要があります。
採用においても、例えば給与などの諸条件で他社よりも「魅力的」になるようにしますし、求職者も自己PRなどを通じて意中の企業に「魅力的」に思われるような努力をします。
出会いもそれぞれあります。恋愛であれば、ナンパもあるでしょうし職場で一緒に勤める中で育まれる感情もあるでしょう。合コンなどもあります。
採用においても出会いの場は結構重要でして、DMやスカウトメールで相手に気づいてもらうこともあれば、合同企業説明会などで出会いの場を設けることもあります。
こんな感じで、何気ないことではありますが採用も恋愛も「マッチング」という目的が同じであるために、使えるテクニックも似通ってくる部分があります。
これをもって『採用=恋愛』という風潮が生まれたため、広く流布しているのかなと思います。
当然、論文などのエビデンスはありませんし真剣に研究されるようなものではありませんが人事関係の人なら何となく「当てはまる!」と思う方も多いでしょう。
『採用=恋愛』論はいつから言われ始めたのか?
さて、この『採用=恋愛』という風潮はいつくらいから言われ始めたのでしょうか?
割と調べたものの、具体的にいつぐらいから言われ始めたのか、だれが言い出したのかイマイチわかりません・・・
これだけ出回っている割には、「何となく」信じられているものということのようです。
うーん・・・残念だ・・・
起源が分かる方はお知らせください・・・!
『採用=恋愛』論をは万能ではない
もちろん似通っている部分はあると思いますし、実際に恋愛における「モテるテクニック」を応用して就活で勝ち続けるような人もいます。
採用担当者だろうが、意中の異性だろうが人が人に好かれるためには一定のテクニックがありますのでそれは否定しません。
あなたの周りにもきっと「何だかよくわからないけど人に好かれる」タイプの人がいるでしょう。
しかし、採用と恋愛は全く同じという訳ではありませんし、使いかたを誤ると危険性すら生じます。
恋愛においては、「顔が好みなら性格なんてどうでもいい」が通用するかもしれませんが、採用はもっとシビアなものです。
容姿が多少の影響をもたらすことはあれど、重要なのはスキルや想いの方。採用担当者は、そこをしっかりと見極めるようにトレーニングされていますし、単なる人たらしという程度では就活で苦労します。
そもそも、恋愛と大きく違うのが「全国の人材と競合しなければいけない」という点でしょうか。競争率という点で考えれば、圧倒的に恋愛よりも難易度が高い。
さらに言えば、採用はどうしても企業側のイニシアチブが強いものです。基本的に互いの合意があれば成立する恋愛と関わる人数やパワーバランスが異なる点は看過できないものでしょう。
あくまで似通っている部分があるという程度の認識で納めておくのが大人の対応というところでしょうか。
しかしながら、一つ大きく共通するところがあります。
採用においても恋愛においても「ウソは大罪である」という点です。
どちらも信頼関係を構築しなければいけないもの。
安易なウソはその場を誤魔化せても長期的には不利になるものです。
面接で内定が欲しいためにウソをついてもいいことはありません。相手の気を惹きたくてウソをついてもいつかバレて困るのと同じです。
採用も恋愛も、お互いがウソをつくことなくフラットな状態で臨むことができるのが一番いいかなと思います。
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