短歌053

命って珠には死というヒビがありある日突然そこから裂けて


くちびるの本質はただたらしだと知っていながら言葉を継いで


仰向けば裂かれた月が熱せられ蒸発してて目玉が蒸れて


海水に絡んだ網をたぐり寄せ寄せれば寄せるほど傷しみて


天井の隅で震える銀の糸月光で濡れ白くきらつき

読んでいただき、ありがとうございました。