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朝東風は綽然と


仮にこの世界を超越したとして〝自分〟は限りなく永遠に自分であるのだ―。


(だから、人間は嫌いだ)


その思考を支えるそれはなんだろうか。
靄に包まれて鮮明に胡乱なそれは。


誰の為?なんの為?


笑顔の端に同居した博愛と惻隠は近づかずともはっきりと私の心に映って光を点したのだ。




風船のように軽く、吹けば飛ぶような言葉をシャボン玉のように沢山沢山吐き出す癖に。



荒野である浮世の上を梔子色の朝東風のようにゆったりと吹いて誰かを今日も包むのだ。


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