読書会第107回 大江健三郎

昨日行われた読書会の開催レポートです。

第二回大江健三郎読書会

今年2月に開催された大江読書会の第二回。
今年は三回やると決めていた。
昨年企画した時は今年中に大江の小説を全部読了しようと思い、
アウトプットの機会として三回は必要と考えた。
次回は12月開催。

今回の顔ぶれ

今回は4名。
2人は前回の大江健三郎回に出席。
1人はカラマーゾフの兄弟回に初参加の方で、私の大江熱に火をつけた何人かのうちのひとり。
1人は初参加の方。

紹介本リスト

新しい文学のために
飼育

憂い顔の童子

文学の淵を渡る
最後に語り伝えたいこと

個人的な体験

燃え上がる緑の木 三部作

関連して言及された本

文学とは何か 加藤周一
文学理論 ジョナサン・カラー
ジニのパズル 崔実

ドンキホーテ セルバンデス

治療塔 大江健三郎
治療塔惑星 大江健三郎
二百年の子供 大江健三郎

読む人間 大江健三郎

参加者の方から聞いた大江おすすめ本

個人的な体験
万延元年のフットボール
われらの狂気を生き延びる道を教えよ
宙返り

同時代ゲーム

大江初心者は最初に何から読むべきか?

大江を読んだことのない方からよく聞かれる質問。
ここですすめる側が注意しないといけないのは、
自分が好きな作品と初心者にすすめる作品は別物であること。
好きな作品が必ずしも万人にウケるものではなく、その作品を読んだことで、大江はこんなものかと二度と手に取ってもらえない恐れがあるから、初めて読む作品選びには慎重になる必要がある。

私が毎回おすすめしているのは

大江健三郎自選短篇

これを読んでもらい、自分に合うなと思ったら、初期の長篇例えば

芽むしり仔撃ち
個人的な体験
叫び声

を読まれることをおすすめします。

他に参加者の方が辿ったルートとして

芽むしり仔撃ち→読む人間→個人的な体験
が挙げられ、その後読むべき作品として、
『空の怪物アグイー』を別の方から推薦されていた。
『個人的な体験』と同時期に書かれた短編集で、同作品と同じキャラクターが登場するとのこと。

本の読み方

初参加の方の本の読み方で自分もやってみたいと思った方法をシェアします。

気になった部分に付箋を貼る→(一度通読して)→付箋部分のみ書き写す→その部分を読む
付箋部分はひとかたまりの段落ごとに貼り、写経する作業は、通読した直後にするらしい。

まとめ

上記のごとく、本に関する情報量だけでも過去一番に多い。
大江さんの創作方法として、先行作品を大量に読んで咀嚼して自作に活かすというものがある。
そのため大江作品に引用されている作品や源流となっている作品はもちろんのこと、比較参照して読む作品も増えていくのでこの情報量になってしまう。

ここでは紹介しきれないくらいの話題や気づきがあり、進行役としては時間管理も上手くいき、過去一番の読書会だったと思えた。

参加者の方にも満足いただけて嬉しかった。


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