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オンライン読書会主宰。 読書会開催レポートを投稿しています。

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最近の記事

3月の読書会

3月2日『大江健三郎自選短篇』大江健三郎(3月3日命日) 3月の「作家の命日に読む」国内作家は昨年亡くなった大江。 大江の晩年の仕事の中で、大きな仕事だと私が思っている自選短篇を課題本に設定した。 大江の作品で最初に読むとしたら何がおすすめですか? 大江の作品を他の読書会で紹介したら必ず聞かれる。 私は間髪入れずこの作品集を挙げるようにし、実際に手に取った方が多い。 構成は初期短篇、中期短篇、後期短篇から著者が選び、加筆修訂している。 私の読書会では以下の作品を中心に感

    • 今年の読書会企画

      今年のの読書会の柱 1 課題本型 テーマ「作家の命日に読む」国内・海外各1回 不定期 2 自由紹介型(奇数月) 3 テーマ型 ジェンダー、文芸誌、ノンフィクション、ミステリ・エンターテイメント 4 誕生日雑談会(4月)、年末雑談会(12月)、黙読書会(GW以降) 作家の命日に読む 私が読む作家の亡くなった月が分散している事に気づいたので、来年は亡くなった月に課題本型をやってみようと考えた。 その際、未読作品だけでなく、既読作品も取り扱い、再読の機会にしようと思ったのが企

      • 来年の読書会企画

        来年の読書会の柱 1 課題本型 テーマ「作家の命日に読む」国内・海外各1回 不定期 2 自由紹介型(奇数月) 3 テーマ型 ジェンダー、文芸誌、ノンフィクション、ミステリ・エンターテイメント 4 誕生日雑談会(4月)、年末雑談会(12月)、黙読書会(GW以降) 作家の命日に読む 私が読む作家の亡くなった月が分散している事に気づいたので、来年は亡くなった月に課題本型をやってみようと考えた。 その際、未読作品だけでなく、既読作品も取り扱い、再読の機会にしようと思ったのが企画

        • 読書会第167回 自由紹介型

          投稿するのは1年振り。 先週の土曜日2年振りに名古屋でリアル読書会を開催した。 会場は大須観音の「図書室喫茶酒場 本棚探偵」さん。 以前経営に携わっていた伏見の町中華「ピンクドラゴン」さんでも店内に沢山の本があったが、この店でも2階の部屋は多くの本に囲まれて好きな本を読める。 今回の参加者は、私の読書会の第1回目から最多参加の友人。 福岡から参加のこの春から新社会人の方。 名古屋在住の方と三重県津市在住の方。 みなさん、一度はオンラインで顔合わせしているものの、対面で会う

        3月の読書会

          読書会第125回 向井和美『読書会という幸福』

          先日開催した読書会のレポートです。 課題本について ”わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、 本があったから、そして読書会があったからだと 言ってもよいかもしれない” という帯にドキッとしたが、著者が参加してきた読書会の経験から、読書会を継続していくには?参加者の心得、司書としての開催レポート、翻訳者としての視点での読書会などこれから読書会に参加しようとする方はもちろん、参加経験者、主催経験者が読んでも有益な楽しい本。 話されたこと 本書の感想を一通り話して、メ

          読書会第125回 向井和美『読書会という幸福』

          読書会 第124回 自由紹介型

          昨日開催の読書会レポートです。 紹介本リスト 世界の偉大な日記図鑑 DK社 交通誘導員ヨレヨレ日記 柏耕一 メガバンク銀行員ぐだぐだ日記 目黒冬弥 杳子 古井由吉 語られたこと 図鑑を紹介いただき、値段が5千円弱と知り、図鑑の割には安いな〜と思ってしまった私は本に関する金銭感覚がバグっております。 上記のように正直な感想を告白すると、それぞれが持っている一番高価な本を紹介しあうという展開になった。 日記やメモを記録する手帳のことにも話題が及び、どんな手

          読書会 第124回 自由紹介型

          読書会第123回 古井由吉『杳子・妻隠』

          先日開催した読書会リポートです。 古井由吉ってどんな作家? 古井 由吉(ふるい よしきち、1937年11月19日[1] - 2020年2月18日)は、日本の小説家、ドイツ文学者。いわゆる「内向の世代」の代表的作家と言われている[2]。代表作は『杳子』、『聖』『栖』『親』の三部作、『槿』、『仮往生伝試文』、『白髪の唄』など。精神の深部に分け入る描写に特徴があり、特に既成の日本語文脈を破る独自な文体を試みている  Wikipediaより引用 プロの作家や評論家から評価が高く

          読書会第123回 古井由吉『杳子・妻隠』

          読書会第122回ブロンテ『嵐が丘』

          本日開催の読書会のレポートです。 世界の十大小説シリーズ第4弾 モーム『世界の十大小説』を2年かけて読む企画の今回は4回目。 ドロドロの愛憎劇を描く所謂「昼ドラ」の元ネタと言われる『嵐が丘』を選んだ。 参加者が選んだ翻訳今日の参加者は二人。一人は新潮文庫、もうひとりは新潮文庫で読んだ後、光文社古典新訳文庫で読んだようだ。 私は新潮文庫の鴻巣友季子さんのもの。 語られたこと・ヒースクリフのイメージが初読と再読では違った ・文体、世界観が非日常 ・人によってどんな物語だと思

          読書会第122回ブロンテ『嵐が丘』

          読書会第121回ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』又は『自分ひとりの部屋』

          昨日開催した読書会のレポートです。 本日のメンバー先週の読書会に参加の常連さんとこの読書会のテーマをリクエストしてくれた方のふたり。 当初はウルフの『自分ひとりの部屋』だけが課題本だったが、後から『ダロウェイ夫人』も追加した。 語られたこと今回も前回と同じく、作品内容についての詳細な感想よりは、周辺知識やテーマや作家論を中心に語られ、ウルフ以外の作品にも言及された。 『ダロウェイ夫人』は1923年の6月のある1日を描くという設定で、現在と過去が前後して描かれ、語られる視点

          読書会第121回ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』又は『自分ひとりの部屋』

          読書会第120回 ドナルドキーン『思い出の作家たち』又は『日本文学・日本の面影』

          本日開催の読書会のレポートです。 本日のメンバー この読書会をリクエストしてくださった常連さんとの二人会。 当初は「日本近代文学研究・文芸評論」というテーマだったが、集客が厳しいので、常連さんのアドバイスでキーンさんの著作へ変更した。 言及された書籍 日本近代文学の起源 柄谷行人 東京下町山の手 エドワード・サイデンステッカー 読書会という幸福 向井和美 語られたこと 著作の内容に触れたのは数分で、あとは読書についての雑談が多め。 とはいえ、キーンさんとの関連で、

          読書会第120回 ドナルドキーン『思い出の作家たち』又は『日本文学・日本の面影』

          読書会第119回 がんじがらめの読書会その2

          本日開催の読書会のレポートです。 本日参加の顔ぶれ 本日のメンバーは2人。 ひとりは毎月のように参加してくださる常連の方。 もうひとりは8月のジェンダー読書会のリクエストをされたものの、都合で参加できなかった方。 ジェンダー読書会での紹介本をTwitterに投稿したら、興味を持たれ、たまたま興味を持たれた本の中の一部が私の選書だったので、参加いかがですかとお声がけした。 選書リスト リスト1 多和田葉子 『献灯使』(紹介本) 『地球にちりばめられて』 『容疑者

          読書会第119回 がんじがらめの読書会その2

          読書会第118回 千葉雅也『現代思想入門』

          昨日実施した読書会レポートです。 企画のきっかけ 先月、芥川賞受賞作全文掲載の『文藝春秋』を購入。 その中に掲載されていた千葉氏と浅田彰氏との対談を読んで開催を決めた。 現代思想の見取り図的な『構造と力』を20年前読んで内容の難解さに理解できなかった。それ以来現代思想とは遠ざかっていた。 この機会にもう一度現代思想とは何か読んで考えてみようと思った。 今日のメンバー 文学の課題本の回に参加される常連と自由紹介型に参加される常連さんとミックスされる珍しい場になった。 し

          読書会第118回 千葉雅也『現代思想入門』

          読書会第117回 がんじがらめの読書会その1

          本日開催の読書会レポートです。 企画趣旨ある程度読書傾向を知っている常連さんに対して、私が選書した本を読んで感想を話してもらうという企画。 普段読まなさそうな本をこの機会に読んでもらいたい、そして私の感想とどう違うのか聞きたいという想いで開催してみた。 選書リスト1.岩波文庫縛り 『職業としての政治』マックスヴェーバー  『五重塔』幸田露伴       『五輪書』宮本武蔵   2.大江健三郎 『大江健三郎自選短篇』  『個人的な体験』  『あいまいな日本の私』  3.

          読書会第117回 がんじがらめの読書会その1

          読書会第116回 テーマ『ディストピア小説』

          本日開催の読書会レポートです。 紹介本リスト 休学(国産のため)高瀬隼子 パーキーパットの日々 フィリップ・K・ディック 1984年 ジョージ・オーウェル 献灯使 多和田葉子 語られたこと ディストピア小説といえば?と問われれば、必ず挙がる定番から、 現実社会に近い設定のものまで、いろんな種類の作品が紹介された。 この種の小説は、独特の設定や世界観を受け入れられるかどうかが読み進める鍵となる。 私は小説は何でもありの世界だと思っているので、小説は「こ

          読書会第116回 テーマ『ディストピア小説』

          読書会第115回 フローベール『ボヴァリー夫人』

          本日開催の読書会レポートです。 世界の十大小説シリーズ第3弾 モーム『世界の十大小説』を2年かけて読む企画の今回は3回目。 今回はフランス近代文学の傑作の呼び声高い『ボヴァリー夫人』を選んだ。 参加者が読んだ翻訳 本日の参加者が読んだ翻訳は新潮文庫の芳川泰久氏の新訳。 ひとりの参加者は芳川訳を読んだ後、同じ新潮文庫の生島遼一氏の訳で再読された。 話されたこと 独特の文体で読み進めるのが私には困難で、一気に読んだせいか内容に関して細かい所は抜け落ちている。 ただ、筋

          読書会第115回 フローベール『ボヴァリー夫人』

          読書会第114回 中上健次『岬』

          本日開催した読書会のレポートです。 企画趣旨 私が住んでいる三重県熊野市とその隣の和歌山県新宮市にゆかりのある郷土作家、中上健次。 戦後生まれで初の芥川賞作家、生まれ育った被差別部落を「路地」と名付け様々な作品を遺した。 20数年前に読みかけて挫折した作家をもう一度読み直してみようと思った。 日本に、世界に誇れる郷土作家なのに読めていないのが自分としては恥ずかしいと思ったので取り上げた。 読書会で語られたこと まず課題本である「岬」の感想を話していただいた。 総じて、

          読書会第114回 中上健次『岬』