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ネームバリューで音楽を聴かない

私はネームバリューで音楽を聴かない。

音楽だけじゃない。文学も、絵も、写真も、漫才も、映画も、旅行先も、お店も、全部"自分がいいと思うかどうか"で選ぶ。

有名だから聴く、有名だから良いと言う……世の中にはそんな価値観が溢れている。もちろんそれを悪いと言いたいわけではない。実際、有名になるものは"良い"から有名になることの方が多いのだから、有名なものだけを鑑賞すれば、良い体験ができることは間違いないと思う。

しかし、私は、それだけでは世の中にある"実は良いもの"に気づくことができないと思っている。

もしも今、あなたの友達が、漫才師になると言うとしよう。それは別にミュージシャンでもいい。作家でもいい。
普通の感覚を持った人なら、一旦驚くと思う。止めようとする人だっていると思う。

でも、もしあなたの友達がM1に出ると言ったら? M1で予選を突破したら? M1で優勝したら?
十代白書に出たら? Mステに出たら? 紅白に出たら? レコ大を獲ったら?
新人賞を獲ったら? 芥川賞を獲ったら?

あなたを含め、周囲の人間は「やめとけ」なんて言わなくなるはずだ。
それどころか、反対していたのに、この道に進んで良かったと言う人さえ現れると思う。

私の祖父母はそういった夢を持つことに反対するタイプで、バンドをやっていた頃はよく「プロになろうなんて思うな。それで食えるわけがない」と言われた。
私はバンドのヴォーカルとしてプロになりたかったが、祖父母の言うことはある意味では正しくなくて、ある意味では正しい。

私は結局、バンドにまつわる人間関係や作曲することが苦手でバンドを辞めてしまい、プロになることは叶わなかった。今はなるつもりすらない。私に、音楽と戦うだけの強さと、作曲の才能がなかったことを見れば、祖父母の言うことは正しかった。

祖父母はそういった才能の有無で「やめとけ」と言ったわけではない。
祖父母は昔からそうだった。公務員として成功をおさめた2人だから当たり前ではあるのだが、考え方があまり柔軟ではない。
私の歌の才能を認めつつも、プロは志すなと頑なに言っていた。
しかし、もし私が実は作曲ができたら? バンドの人間関係をうまく回すことができたら?
祖父母はそういうところを見ていないのだから、わかるわけがない。

そういう意味で、祖父母の言うことは正しくて、正しくない。


世界が待っているのはあなたかもしれない

身内はよく知っていると思うが、私はLittle Glee Monsterのファンだ。ファーストアルバムを出した頃、彼女たちがまだ中学生と高校生だった頃からの大ファン。

出会いはカラオケのDAMチャンネルで、ジングルを聴いたときから虜になった。
こんな歌が上手いのに、私と同い年、最年少メンバーはひとつ年下? ありえない。最初はそう思った。
でも、音源を聴いていくうちに「この子達は絶対に売れる」そう思った。

当時、Little Glee Monsterのファンであることを話しても、「知らない」という人の方が圧倒的に多かった。

誰もが知るように、彼女たちは紅白歌手へと成長し、高校生の間に武道館ワンマンライブ、アリーナツアーまで成し遂げた。

実はこういった経験は、Little Glee Monsterに限った話ではない。
私が聴いているいろんなアーティストが、どんどん有名になっていくという経験を何度もしている。BiSH、Official髭男dism(友達に教えてもらった)、ヤバイTシャツ屋さん、BURNOUT SYNDROMES、ハチ(米津玄師)、ZOC、LiSA、ネクライトーキーなど、どのタイミングで知っていたか、に差はあるものの、かなり多くのアーティストがどんどん有名になっている。

それはメジャーアーティストに限らずだ。そして音楽だけではなく、小説の世界でもそうだ。

それは、「私が本当にいいと思ったもの」しか、私は「良い」と言わないし、人に勧めないからだと思う。それだけ彼ら彼女らには実力があるものの、知名度だけがついてきていない状態で出会っているからだと思う。

そこで、今回をはじめとして、ネームバリューで音楽を聞かない私の、好きな曲の紹介やライブのレポなどを書き溜めていこうと思う。

インディーズでまだ知名度のないアーティストも、いつか武道館ワンマンライブを達成するかもしれない。その時に、記事を見て、こんな時もあったんだと思ってくれる人がいるかもしれない。

ちょっとした記録でしかないが、思うままに、書いていこう。そう思った。

もし興味がある人がいたら、ぜひ曲を聞いてみてほしい。本を読んでみてほしい。

その中から、いつか大スターが生まれるかもしれない。

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