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ダボス・アジェンダ2021 -- Day 5

世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターでは、ダボス・アジェンダ(1月25日 - 29日)の会期中、4月6-7日に開催されるグローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)につながる議論をnote発信しています。

Day 4(Part II)はこちら⇩

■Special Address by Yoshihide Suga, Prime Minister of Japan【菅首相登壇】

「日本政府の世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターへの友情と支援に感謝します」--シュワブ会長からの感謝も添えた紹介で、菅首相がダボス・アジェンダに登壇しました。

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菅首相は「グリーン」と「デジタル」を成長戦略の重点領域として紹介。さらに自由貿易へのコミットメントとして「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」についても言及しました。

さらにWTO改革に引き続き積極的に取り組むとともに、日本が 共同議長国を務めるWTO電子商取引交渉などを通じて「信頼性のある自由なデータ流通」の実現に、リーダーシップを発揮してい きます。これらを通じて、地域、世界の繁栄を実現するためにも、ルールに 基づく自由で開かれた秩序の実現、海洋の安全の確保、連結性の向 上が重要です。 「インド太平洋国家」である日本として、考え方を共有する国々と 連携し「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を戦略的に推進していきます。

そして、今年4月6−7日に開催されるグローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)についても、下記のように紹介いただきました。

「桜が咲く4月に、東京で世界経済フォーラムとの協力により、グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミットが開催されます。みなさんを始めとする多くのリーダーに参加をいただき、デジタル時代の人類共通課題に答えを見出していく。そうした場になることを期待しています」

全文はこちらから⇩(外務省)

■Resetting Geopolitics【河野大臣登壇】

ワクチンを平等に分配すべきだ――ダボス・アジェンダ会期中、世界のリーダー達が異口同音に訴えました。私たちは自国第一主義的な傾向を乗り越え、多国間協調を再構築できるのでしょうか。韓国からKang Kyung-Wha外務大臣、サウジアラビアからH.H. Prince Faisal bin Farhan AI Saud外務大臣、インドネシアからRetno L. P. Marsudi外務大臣、中国全国人民代表大会外事委員会からFu Ying副議長、そして日本からは内閣府特命担当大臣を務める河野太郎大臣がパネリストとして登壇しました。

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河野大臣はパンデミック下においても比較的安定して食料やエネルギー資源が供給されたことに触れ、グローバルなサプライチェーンの安定稼働に前向きな認識を示した一方で、域内供給が安定するまで第三国へのワクチン輸出を停止するという欧州連合が検討中の措置について大きな懸念を表明し「我々は同じ地球に生きている。リーダーは内向きであってはならない」と警笛をならしました。報復的な措置や非効率的なサプライチェーンを回避するため、国連、欧州連合、G20、G7などの枠組みを活用してグローバルな課題を同じテーブルで議論することを強く呼びかけました。

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民主主義、法の統治、人権の価値を最優先すべきだ――河野大臣は、民主主義陣営と権威主義陣営に分断していては円滑な国際協調は望めないと指摘。日本はASEAN、韓国、米国、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、インドなど志を共にする国々と協力し、第二次世界大戦以降の経済繁栄をもたらしてきた「リベラルな国際秩序(Liberal International Order)」の維持を目指すと表明し、気候変動や軍縮などのグローバル課題の解決、さらには世界的な経済繁栄を導くことができるのはこうした「価値(Value)」の共有にあると述べました。


世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
ティルグナー順子
大原有貴(インターン)


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