見出し画像

日立の家庭用空調撤退で騒ぐ人の一部が知らない「ある事実」と「不都合な事実」

先日、日立は家庭用エアコンの生産から撤退し、アメリカのジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(以降JCI)との空調合弁会社であるジョンソンコントロールズ日立空調(以降JCH)をドイツのボッシュ社へと売却する事を発表しました。
かなり大きなニュースなので様々な意見が飛び交っていますが、中には間違った事を言っている人が多数見受けられます。
今回はこのニュースを見る時に役立ついくつかの事実を紹介しましょう。

別に「白くまくん」というブランドは消えない。

日立ブランドで家庭用エアコンの販売は継続するので安心して欲しい。

このニュースを聞いて真っ先に思い浮かぶのは「白くまくん」(日立のエアコンブランド)が消えてしまうのではという懸念だと思います。
ですがそれは大きな間違いです。

白くまくん。

売却後、合弁会社はボッシュの完全子会社となる。日立とブランドライセンス契約を結び、日立ブランドで家庭用エアコンの販売を続ける。

「白くまくん」の日立、家庭用エアコンの生産撤退…合弁会社を独ボッシュに売却(読売新聞)

このようにブランド自体は消えません。
形態は違いますが東芝の家電と似た感じで継続すると言えます。
また、栃木工場での製造も継続され、販売を日立グローバルライフソリューションズ(以降日立GLS)が行うという点は変わりません。
あまり変わってないじゃんと思ったらこの記事にスキをしよう。

なおJCHの業務用空調機器の開発・製造拠点である清水営業所は事業は日立GLSが取得。
業務用空調事業は、同社が開発・製造から販売、保守まで一貫して行う事になります。

日立が不調な訳でも落ちぶれた訳でもない。ましてや日本が落ちぶれた訳でもない。

日立は好調な企業として有名。

家庭用エアコンから撤退と聞いて、
「オワコン」だの
「日本衰退」だの
色々偉そうに言っておられる方が多いですがそれらの意見の大半が間違いです。
日立の業績を見ていきましょう。

2009年、リーマン・ショックの影響もあり、7873億円の最終赤字を計上。
これを受け、大規模な改革を断行。
わずか数年で最終黒字にまで回復し、現在では好調な企業としてソニーと双璧を成すほどに生まれ変わりました。(ここに東芝も加わって好調御三家みたいになれば嬉しいのですが…)

出典 「モノづくり」から「社会課題の解決」へ 大赤字からの大変革

そもそも日立において、家電は売上の5%にも満たない(2023年時点)分野であり、主力製品はまた別のものになっています。
ソニーや東芝のように形を変えた企業は日立も例外ではありません。

日立の大改革からの好調という見事な復活劇は有名な話です。
これを無視して日立は語れない!

最後に

様々なメーカーが改革を断行しましたが、それらが日本を支える企業であるという事実に変わりはありません。どんなに小さくてもそれは同じです。

この事実だけは多くの人に知っておいてもらいたいところです。


もしよろしければサポートよりも記事のシェアをしていただけるともっと嬉しいです。 (サポートをいただいた場合は資料等の費用に活用させていただきます。)