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さるぶつ道場 運動量保存則8解答

重心から見た平面上での2物体の衝突

 問題はこちらです.

 運動量保存則が成り立つとき,重心速度は一定であることに注目しましょう.二等辺三角形や直角三角形を見つけて,数式を立てるスキルが要求されます.

図2

(1) 物体Pの座標の変化を $${\delta x_P}$$ とすると,重心の位置の変化 $${\Delta x_G}$$ は,

$${\Delta x_G=\frac{m\Delta x_P}{M+m}}$$

 重心の速さは $${v_G=\frac{\Delta x_G}{\Delta t}}$$ より,

$${v_G=\frac{\Delta x_G}{\Delta t}}$$
     $${=\frac{m\frac{\Delta x_P}{\Delta t}}{M+m}}$$
     $${=\frac{m}{M+m}v_0}$$

(2) 重心と共に運動する座標系から見た,物体Pと物体Qの速さは,

$${v_{PG}=\left|v_0-\frac{m}{M+m}v_0\right|=\frac{M}{M+m}v_0}$$
$${v_{QG}=\left|0-\frac{m}{M+m}v_0\right|=\frac{m}{M+m}v_0}$$

(3) 弾性衝突をするので,重心から見た物体の速さは衝突の前後で変化しない.

 重心速度と,重心から見た物体Qの速さは等しいので,衝突後のある時刻の重心の位置を G ,物体Qの位置をBとすると,$${\overline{oG}=\overline {GQ}}$$ である.したがって図2のように,△oBGは2等辺三角形である.$${\angle oGB=\delta}$$ なので,

$${2\beta = \pi-\delta}$$
$${\beta=\frac{\pi-\delta}{2}}$$

(4) $${v_Q}$$ は△oBGの底辺なので,

$${v_Q=\frac{m}{M+m}\cos \beta \cdot 2}$$
     $${=\frac{2m}{M+m}\cos \frac{\pi-\delta}{2}}$$
     $${=\frac{2m}{M+m}\sin \frac{\delta}{2}}$$

 $${v_P}$$ は余弦定理を用いて,

余弦定理$${a^2=b^2+c^2-2bc\cos \theta}$$

$${v_p^2=\left(\frac{m}{M+m}v_0\right)^2+\left(\frac{M}{M+m}v_0\right)^2-2\frac{Mm}{(M+m)^2}v_0^2\cos (\pi-\delta)}$$
$${v_p=\frac{v_0}{M+m}\sqrt{M^2+m^2+2Mm\cos \delta}}$$


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