「会社」ではない、「協会」というビジネスモデル
個人の話で恐縮ですが、筆者が最初に「協会」といいうものに関わったのは2001年のこと。
ヘルスケア関係の協会を1つ、食関係の協会を1つ、それぞれ創業メンバーとして参画しました。
結果、ヘルスケア関係のほうは残念ながらすぐに撤退しました(トホホ)。
ですが、ありがたいことに、食関係のほうはわりと順調に成長してくれました。
4年目で会員が1万人に達し、その後は年間6,000人のペースで会員が増えました。
なかなか胸躍る経験でしたね。
というわけで今回は「協会」の話です。
ただし、筆者は「協会推進派」ですので、「協会」に好印象を持っています。
したがって、逆にバイアスがかかっている(公平な目で見ていないかもしれない)と思います。
その分、割り引いてお読みください(笑)。
「会社」vs「協会」
「脱サラする」
「独立する」
「起業する」
「自分で事業を始める」
というと、ふつうは
個人事業主になる
小さく会社を作る(ひとり社長になる)
みたいなことをイメージしますね。
ですが、最近は「協会を作る」という選択をする人も増えています。
会社と協会、なにが違うのかというと、違いはいろいろありますが、たとえば
会社を作れば、あなたは社長になります。
協会の場合、あなたは理事長になります。
「会社」と「協会」には類似点もあります。
たとえば、2006年に会社法が改訂され、会社が作りやすくなりました。
今では資本金1円で会社が作れます。
じつは協会も同様に作りやすくなっています。
そうしたければゼロ円で作れます。
起業の際に「協会を作る」という選択をする人が増えている背景には、こうした事情もあるようです。
協会の「営利」「非営利」
「協会」には非営利なイメージがあるようです。
それはそれで、
共感されやすい
信頼されやすい
というメリットがあります。
けれども、かたやそのせいで
「協会は利益をあげてはいけない」
「協会はお金儲けをしてはいけない」
といった思い込みを抱いている人もいます。
実際はそうではありません。
「協会は利益をあげてはいけない」
「協会はお金儲けをしてはいけない」
は、誤解です。
協会が利益をあげたりお金儲けをするのは、じつは自由です。
会社に許されている営利活動はすべて、協会にも許されています。
だから「協会」は起業にも使えるというわけです。
「協会」のビジネスモデル
ごぞんじのように、「会社」には、さまざまなビジネスモデルがあります。
いっぽう、「協会」の場合、
会員を増やすことで、キャッシュポイントを作る
という点がどれも共通です。
そのため、おおさっぱに3種類しかビジネスモデルのバリエーションがありません。
その3種類というのは、
業界団体のようなビジネスモデル(おもに会費がキャッシュポイント)
同好会のようなビジネスモデル(おもにイベントがキャッシュポイント)
スクールのようなビジネスモデル(おもに受講料がキャッシュポイント)
この3つだけです。
でも、それでよいのです。
「会社」の場合は
どのビジネスモデルを選ぶのか、によって成否が分かれます。
ビジネスモデル自体が、差別化要因になります。
ビジネスモデルの選択を間違えたために、成功するはずの事業が失敗するということが、ままあります。
ところが「協会」の場合は、3種類しかビジネスモデルがないので、ビジネスモデルに関していえば、
「どの協会も似たりよったり」
になります。
でも、それでよいのです。
協会の場合、ビジネスモデルは差別化要因にはなりません。
似たりよったりだから。
それよりも、
「細部の完成度」
のほうが重要になります。
あなたは「協会むき」?
それとも「社長むき」?「個人事業主むき」?
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