初音ミク「狂狂」について

今やすっかりツイッター上に現れず、存在しないかのようになってる私です。
それでも曲を出すと聴いてくれる人が少なからずいて、せっかくなので少し自分の曲に触れていきたいと思う。

この「狂狂」、割とタイトル読めなかった人がいるみたい。
適当に曲に合わせたからそりゃそうだよね、ごめんなさい。「くるくる」と読みます。
ボカロで曲を出すようになって一年と数ヶ月、あまりに自分の精神面や音楽的嗜好が変わりすぎて、最初の三作くらい(〜リメンバ・アイラブユ)までのような曲が作れなくなってしまった。
もう言って仕舞えばどんな人のボカロ曲も格好良く思えなくなって、自分で作るものも全てが聴く価値のない音楽に感じて、行き詰まって何もできなくなった。
これ以上拗らせたら本当に何もできなくなるって危機感で、いっそ振り切って四つ打ちのダンスロックを作ろうとしたのがこの曲の始まり。(途中でポエトリーパートとかが入ってきたのは作っててノッて来てしまったと言うことと、みんなこう言うの好きなんでしょ〜?みたいな舐めた理由からだった。クソ野郎だわ。)
そしたらなんやかんや出来上がったし、まあいいものになった。

以下歌詞内容解説。
簡潔に言うとこの曲は「新宿歌舞伎町風俗嬢のメンヘラソング」なんだけど、決してネタとして存在を消費したかったわけじゃない。あの地域には自殺やドラッグの影が常に伸びていて、歌詞の中でも少しだけそう言うワードが出てくる。
例えば「第6トーア」。新宿の飛び降り自殺多発してるビルのことで、少し前にホストが刺されて話題になった事件でも少しだけ関わりがある(ネット上でネタにされている?)ビルだ。風俗店やホストクラブで働く人の中では割と普通にドラッグ使用の話になる。これは自分でそうしている場合もあるけど、中には(多分ごく少数だが)あぶない人々に仕事から抜けられないよう染められた人もいて、歌詞冒頭の「左腕は穴だらけ」はここからきてる。
ドラッグに対する嫌悪感の強い日本でもそういう世界が普通に存在している。
だれも気にしないけど。

そんななかで主人公の女性は自分を売って生きていて、周囲の偏見と自己嫌悪に苛まれている。
そしてやりきれなくなって自傷行為をする。
そういった仕事をしている、そういった環境にいると言うことで異常な人間としての圧迫を受けている。
だから周囲なのか自分なのか判然としない声に潜在的に責められていて(日の下では生きれぬビ○チ、とかね)眠れずに自分の人生と幸福について考えている(ポエトリーパート:幸せってなんだろう)。
と言うような内容です。

こう言う人たち(売春、ドラッグユーザーや自殺者)にフォーカスが当たると、いろんな人が面白がってやばい奴らとして扱い始めるし、中には人でないかのように言う人もいる。
ただ実際のところ見てみると「人じゃない」ような人なんてほとんどいないし、やばい人ってこともない。
多分こう言う好奇の目や差別は、僕らが親や教育機関から植え付けられた倫理観に反するものを許容できないために起こることで、自分達とは違う何かとして扱うことで均衡を保っているってのが実態なんだと思う。
そういう「非倫理的」な人々の行動の背景には大抵メンタルヘルスの問題が隠れていて、さらに言えばそこまで育ってきた環境、家庭問題が根幹にある。
この手の話はYouTubeでViceやBBCなんかを見て欲しい。BBCのSex, Drugs & Murder(売春、薬物、そして殺人)あたりは特に。いかにメンタルヘルスと家庭環境が売春、薬物依存に密接に関与してるかわかる。

私が「狂狂」で期待したのは、こう言う人たち(狂狂では主人公の女性)への共感で、想像上だけでも彼ら自身になって欲しかった。
何かの弾みで誰だってそうなり得るのだと言うこと、そうなってしまった人たちは決して異常者ではないという可能性を感じて欲しかった。
そういうエゴを込めて作りました。
以上。

長くなりすぎたので尻すぼみに終わらせます。
ちなみに途中のハードコアっぽいパートはこの曲に影響されてるので是非聴いてください。

読んでくれた人ありがとうございます。
眠いので終わりです。
おやすみなさい。


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