#2 あなたの知らない白金製剤の世界 編集後記~新人薬剤師の勉強心構えその1~
病院薬剤師メガネです!
今日はPodcast 第2話、あなたの知らない白金製剤の世界について…
はPodcastにお任せして、新人薬剤師の勉強の心構え、就職先を選ぶ際のポイントについて私見を徒然していきます。
お楽しみいただければ幸いです!
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白金製剤ってなんぞ?
あの白金(プラチナ)が抗がん剤に…?
そうなんです。白金系抗がん剤は今も最前線で頑張ってくれています。
装飾品としても使用する白金が薬に……薬学って本当に不思議ですね。
シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ちょっとマニアックなネダプラチン、ミリプラチンが国内で使用されています。
悪心・嘔吐が強かったり、腎機能障害があったり、
白金製剤はクセがつえぇ薬たちですが、
有効性はしっかりあるんですよね~。
薬剤師としては、上手に使いこなす必要があります。
薬はやっぱり難しい?!新人はどうすれば?
新人薬剤師の苦悩~先輩たちに早く追いつけ!~
薬剤師が本当の意味でクスリを知るのはいつでしょうか。
薬の怖さを正しく知り、その対策も知り、実際に行動できるのは?
薬学生の時?オスキーCBT?国家試験?
やっぱり働き始めてからだと思います。
薬剤師になるための勉強はとっても必要ですが、
実は、薬剤師になってからも大変です。
なんたって周りの薬剤師・医師・看護師さんたちは現場のプロ!
知識だけではなく「経験」も持ち合わせています。
この「経験」は強いですよ~!経験で知識が整理されていますから。
病院・薬局実習を積んで、国家試験に合格しても、
現場の知識・経験は、実際に働いて積むしかない!
On the Job Training(職場内訓練)が新人薬剤師たちを待ち構えています。
ちゃんとOn the Job Trainingしてくれるところに入職しよう
逆に考えると、
On the Job Trainingが少ない施設への就職は気を付けた方が良いでしょう。
病院・保険薬局・ドラッグストア…どこに就職するにしても、
医療職が一人前になるには、必ずOn the Job Trainingが必要です。
教える余力・人材がない施設に、新社会人として入職するのは勿体ない!!
大事な社会への門出ですから、ちゃんと学べるところに就職したいですね。
ちょっと考えた方がいい職場として…(メガネの私見、あしからず)
日常業務でぱっつんぱっつん
教育担当者がいない
中堅の先生がいない(30-40代の脂がコテコテにのった兄さん姉さん)
教育カリキュラムが全くない(新人だけではなく、中堅なども)
若手(3-5年目くらい)の薬剤師が、誰も何も資格を取得していない、しようとしていない
[資格取得の勉強する時間的・人員的余裕がないか、教えられる人材がいないか]
施設見学の時に、しっかり自分の目で見て、聞いて、実際を感じるんやで。
新人薬剤師よ、薬は歴史と違いで身に着けるのです
病院、特に急性期病院に就職すると、まず驚くのは採用薬品数の多さでしょう。
何とか効率的に、身に着ける方法がないものでしょうか。
メガネのオススメは!!
薬の歴史で覚える、同系統の薬の違いで覚える!です。
白金製剤の歴史・違い
歴史・違いで覚える例として、白金製剤を例にしてみましょう
まずはその系統の薬の第1世代から見ていきます。
第2世代以降は、第1世代の改良品になりますので、どこが改良されたかを見ていけば良い算段です。(基本的には)
シスプラチン
第1世代
悪心・嘔吐が強い(制吐剤適正ガイドラインの高度リスク)
水分負荷が必要
(高齢者、心臓に負担がかけられない人は使いにくい)消化器がんでいうと、胃がん・食道がんには使えるが、大腸がんには使えない。
カルボプラチン
第2世代
悪心・嘔吐がほどほど(ガイドラインでいう、中等度の強い方)
水分負荷が『不要』
ほぼ糸球体ろ過され、尿細管細胞に入らないため。
糸球体ろ過されるので、投与量は体表面積ではなく、腎機能で決まる。(カルバートの式)消化器がんには、ほぼ使わない
オキサリプラチン
第3世代
悪心・嘔吐がもっとほどほど(中等度の弱い方)
水分負荷が『不要』
シスプラチンと同様に、尿細管細胞に入るため投与量は体表面積で決める。シスプラチンと同様に胃がん、食道がんに使える
+大腸がんにも使える
どうでしょうか?
丸覚えするだけではなく、歴史と違いを整理すると、覚えやすくなったのではないでしょうか?
最後に
ただ!なかなか薬の歴史・違いまで振り返ってらんねぇ!
若いし遊びたい!ゲームしたい!旅行行きたい!
ですよね。
教えてくれる先輩がいれば、どうやって採用薬を覚えたか聞いてみましょう。
同種同効薬についてまとめてくれている本も多いので、そちらで勉強してみるのもよいでしょう。
https://store.isho.jp/search/detail/productId/1704364970
タメタメチョタメでも抗がん剤の歴史をしていきたいですね。
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