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#2 あなたの知らない白金製剤の世界 編集後記~新人薬剤師の勉強心構えその1~

病院薬剤師メガネです!
今日はPodcast 第2話、あなたの知らない白金製剤の世界について…
はPodcastにお任せして、新人薬剤師の勉強の心構え、就職先を選ぶ際のポイントについて私見を徒然していきます。
お楽しみいただければ幸いです!
Spotifyはこちらから
https://podcasters.spotify.com/pod/show/hb97caei0r8/episodes/2-e2co9q3


白金製剤ってなんぞ?

あの白金(プラチナ)が抗がん剤に…?
そうなんです。白金系抗がん剤は今も最前線で頑張ってくれています。
装飾品としても使用する白金が薬に……薬学って本当に不思議ですね。
シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ちょっとマニアックなネダプラチン、ミリプラチンが国内で使用されています。
悪心・嘔吐が強かったり、腎機能障害があったり、
白金製剤はクセがつえぇ薬たちですが、
有効性はしっかりあるんですよね~。
薬剤師としては、上手に使いこなす必要があります。

薬はやっぱり難しい?!新人はどうすれば?

新人薬剤師の苦悩~先輩たちに早く追いつけ!~

薬剤師が本当の意味でクスリを知るのはいつでしょうか。
薬の怖さを正しく知り、その対策も知り、実際に行動できるのは?
薬学生の時?オスキーCBT?国家試験?
やっぱり働き始めてからだと思います。

薬剤師になるための勉強はとっても必要ですが、
実は、薬剤師になってからも大変です。
なんたって周りの薬剤師・医師・看護師さんたちは現場のプロ!
知識だけではなく「経験」も持ち合わせています。
この「経験」は強いですよ~!経験で知識が整理されていますから。
病院・薬局実習を積んで、国家試験に合格しても、
現場の知識・経験は、実際に働いて積むしかない!
On the Job Training(職場内訓練)が新人薬剤師たちを待ち構えています。

ちゃんとOn the Job Trainingしてくれるところに入職しよう

逆に考えると、
On the Job Trainingが少ない施設への就職は気を付けた方が良いでしょう。
病院・保険薬局・ドラッグストア…どこに就職するにしても、
医療職が一人前になるには、必ずOn the Job Trainingが必要です。
教える余力・人材がない施設に、新社会人として入職するのは勿体ない!!
大事な社会への門出ですから、ちゃんと学べるところに就職したいですね。

ちょっと考えた方がいい職場として…(メガネの私見、あしからず)

  • 日常業務でぱっつんぱっつん

  • 教育担当者がいない

  • 中堅の先生がいない(30-40代の脂がコテコテにのった兄さん姉さん)

  • 教育カリキュラムが全くない(新人だけではなく、中堅なども)

  • 若手(3-5年目くらい)の薬剤師が、誰も何も資格を取得していない、しようとしていない
    [資格取得の勉強する時間的・人員的余裕がないか、教えられる人材がいないか]

施設見学の時に、しっかり自分の目で見て、聞いて、実際を感じるんやで。

新人薬剤師よ、薬は歴史と違いで身に着けるのです

病院、特に急性期病院に就職すると、まず驚くのは採用薬品数の多さでしょう。
何とか効率的に、身に着ける方法がないものでしょうか。
メガネのオススメは!!
薬の歴史で覚える、同系統の薬の違いで覚える!です。

白金製剤の歴史・違い

歴史・違いで覚える例として、白金製剤を例にしてみましょう
まずはその系統の薬の第1世代から見ていきます。
第2世代以降は、第1世代の改良品になりますので、どこが改良されたかを見ていけば良い算段です。(基本的には)

  1. シスプラチン

    1. 第1世代

    2. 悪心・嘔吐が強い(制吐剤適正ガイドラインの高度リスク)

    3. 水分負荷が必要
      (高齢者、心臓に負担がかけられない人は使いにくい)

    4. 消化器がんでいうと、胃がん・食道がんには使えるが、大腸がんには使えない。

  2. カルボプラチン

    1. 第2世代

    2. 悪心・嘔吐がほどほど(ガイドラインでいう、中等度の強い方)

    3. 水分負荷が『不要』
      ほぼ糸球体ろ過され、尿細管細胞に入らないため。
      糸球体ろ過されるので、投与量は体表面積ではなく、腎機能で決まる。(カルバートの式)

    4. 消化器がんには、ほぼ使わない

  3. オキサリプラチン

    1. 第3世代

    2. 悪心・嘔吐がもっとほどほど(中等度の弱い方)

    3. 水分負荷が『不要』
      シスプラチンと同様に、尿細管細胞に入るため投与量は体表面積で決める。

    4. シスプラチンと同様に胃がん、食道がんに使える
      +大腸がんにも使える

どうでしょうか?
丸覚えするだけではなく、歴史と違いを整理すると、覚えやすくなったのではないでしょうか?

最後に

ただ!なかなか薬の歴史・違いまで振り返ってらんねぇ!
若いし遊びたい!ゲームしたい!旅行行きたい!
ですよね。

教えてくれる先輩がいれば、どうやって採用薬を覚えたか聞いてみましょう。
同種同効薬についてまとめてくれている本も多いので、そちらで勉強してみるのもよいでしょう。
https://store.isho.jp/search/detail/productId/1704364970


タメタメチョタメでも抗がん剤の歴史をしていきたいですね。







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