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勝手に動画分析 #40「平面なのにちょこっと立体感がある面白さ」

こんにちは、BYNDのNATUです。

BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。

noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。

今回はモーショングラフィックスを使ったHerman MillerのPV。企業のプロモーション動画をキャッチーなビジュアルで見せています。


Herman Miller - Last Mile

 (via vimeo|Dress Code)


Director: Pedro Piccinini
Executive Creative Director: Andre Andreev
Executive Producer: Brad Edelstein
Head of Post Production & Operations: Tara Rose Stromberg
Design: Christopher Vela, Pedro Piccinini
Animation: Marta Lemos, Peter Harp, Pedro Piccinini


今回の5項目チャートはこんな感じです。

今回のエクストラ項目は「少し立体」。


そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。



[LOOK:★★★★]


海外の絵本のようなビジュアルで初見でグッと惹き込まれます。カラフルなベタ塗りと黒&白で作られるLOOKは雰囲気もさることながらとくに最近よく目にするFake3Dのようなフラットな立体表現と相性が良いので動きにもとてもマッチ。


[音:★★★]


ナレーションとBGMに隠れながらもすごくさり気なく効果音を足していて没入感をしっかりと高めてくれています。コミカルで少し我の強い効果音ということもあってか音量は小さめになっていますが、それなのにちゃんと耳に残るのはうまいサウンドデザインだなあと思います。

実は結構細かくフォーリー(動作音)も鳴ってます。


[編集:★★★]


全体的に控えめなモーションデザインですが、LOOKと相まってそれがとても心地よく、作品全体のテイストにもマッチした動きになっています。ゆったりと間をとる編集は情報自体がしっかり整理されてるからこそ生きてくるなと思わされます。


[構成:★★★★]


動く絵本のようなちょっとした楽しさに溢れる構成で、企業のプロモーション動画という少し堅めの印象を中和しながらしっかり見させていきます。メインの情報はナレーションが担いつつも、つまらなくなりがちな内容を絵と動きを使ってとてもキャッチーで伝わりやすいかたちに変えていて、これこそモーショングラフィックスの力だなと思わされる作品です。


[少し立体:★★★★★★]


最近は3DCG全盛なモーションデザイン界隈ですが、ここにきて「なんかちょっと立体感」な表現が増えてきている気がします。ポイントは「3Dすぎない」というところで、あくまで平面をベースにしつつ、パースが変だけど立体っぽい表現とか、奥行きをほんの少し感じさせるようなちょっとした動きだったりとか。とくにこの作品のように絵本調の作風とすごく相性が良くて、少しだけ立体的に見えたり動いたりとかってなんだか「とびだす絵本」のようなわくわく感があるんですよね。逆に演算で表現しにくそうな「なんちゃって3D」はフラットな拡張表現としてけっこう有りなんじゃないかなと思ってます。




さて、以上いかがでしたでしょうか。

動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。

それではまた次回。NATUでした。

(Writer:スタッフ NATU)


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