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エトルタ海岸の夕暮れ

エトルタ滞在中はずっとキャンプ施設でテント生活をしていましたが、その最初の日の夕方、テントの外で簡単な夕食を採っていると、にわかに周囲が赤く染まってきました。

キャンプ場から見えた夕焼け

空を見上げると、なんともドラマチックな夕焼け! これは海岸で見たかった…けど、キャンプ場から海辺までは一生懸命に歩いても10分ぐらいかかります。夕焼けは長くは続きませんから、この時点からカメラと三脚を担いで出かけても間に合わないでしょう。4泊5日の滞在中、これほど劇的な夕焼けは一回きりで、キャンプ場に戻ってしまっていたのは痛恨でした。
そんなわけで翌日からは毎日、日没前には海岸に出ることにしました。

翌日は朝から雨がぱらつく悪天候で、正直なところ夕焼けは期待できそうになかったのですが、夕方になって分厚く垂れこめる雲と水平線との間にわずかな隙間ができたので、一縷の望みをかけて海辺の崖の上に登りました。
小雨と強風に震えながら日没を待つこと約1時間。その忍耐が報われた瞬間の画像です ↓

分厚い雲と水平線の隙間から現れた太陽
斜陽を浴びて、薄暗かった風景が一瞬にして茜色に染まる
他方のアーチには太陽光は届かなかったものの、背景の空は赤紫色に。

3日目の夕暮れは、反対側の崖の上に登って日没を待ちました。
この日はまずまずの好天でしたが、特に低い位置に雲が集まっていたため、太陽が水平線に沈む瞬間は残念ながら見えませんでした。でも、前日の寒さに比べたら、はるかに心地よい日没でした。

傾き始めた太陽の光で、白い絶壁が黄金色に染まる
雲間に沈んでいく太陽。カモメがイイ感じに入ってくれた
日没後のマジックアワー
すっかり日が暮れて崖下に降りてくると、断崖の上には白く輝く三日月

4日目はエトルタで迎える最後の日没です。この日は崖には登らず、浜辺の防波堤に座って、夕日の最後の一点が水平線に隠れてしまうまで日没を堪能しました。

沈みゆく太陽が水面に光の道を作る
空の色が刻々と変わっていく
水平線に隠れていく太陽を、たくさんの人々が見つめる

この日はほぼ快晴で、このまま暗くなるまで待っていれば、満天の星空が見られそうです。そんなわけで太陽がすっかり沈んだ後、浜辺の街灯や街の光が届かない崖の上に登って夜を待つことにしました。

日没後の夕空に断崖のアーチのシルエットが浮かぶ

崖の上には、エトルタの夕景を背景にウエディングドレスとタキシード姿で記念撮影をしている新婚カップルの姿がありました。"Félicitations!(おめでとうございます!)" と声をかけると、"Merci!" という返事とともに、とても嬉しそうな満面の笑みを見せてくれました。

記念撮影中のお二人
いよいよ暗くなってきて、ライトアップされた断崖のアーチとエトルタの街の夜景
よく見ると左上の空にさそり座の頭の部分が見える
街明かりが届かない所まで崖の上を進んで、天の川を撮影

ひとくちに夕景と言っても、天候によってその表情は様々ですね。
短い滞在中に小雨の後の晴れ間・薄曇り・快晴と、色んなヴァリエーションの夕暮れを楽しめたことも、最後の夜になって満天の星空を見ることができたのも、実にラッキーでした。